アメリカで2015年に公開された映画『ボーダーライン』はメキシコの麻薬戦争をテーマにしたものである。監督はドゥニ・ビルヌーブ、主演はエミリー・ブラントで、世界中でヒットしている。
原題は『Sicario(シカリオ)』。
これはスペイン語で言うところの「殺し屋、暗殺者」であると言われている。この原題は映画ではとても重要な意味を持つのだが、ネタばれになるのでここでは詳しくは書かない。
メキシコを舞台にしたアメリカの映画は意外に秀作が多い。この映画以外にもブラックアジアでは3本紹介している。(ドラッグに覆われたメキシコの現状をよく描写した映画3本)
大統領候補のドナルド・トランプが「メキシコとアメリカの間に巨大な壁を築く」と言って物議を醸しているのだが、その意味はメキシコから流れて来る不法入国者を排除するという意味の他に、メキシコから大量に流れて来るドラッグを阻止したいという意味もある。
ドラッグは貧困層にとって唯一、先進国の人間たちに売りつけることができる禁断の果実であり、だからこそメキシコからのドラッグ流入は今も止まらない。