日本で虐待事件が次々と起こっている。5月19日にも静岡県浜松市で小学校の男の子の身体に複数のあざや内出血、目も内出血があることに気づいて児童相談所に連絡し、児童相談所から警察に通報されて、親が逮捕されるという事件があった。
こういう虐待事件があった時、私がいつも気にかけるのは「同居している親は血のつながった親なのか?」という点である。
虐待で逮捕されるケースでは、親のどちらかが「他人」である場合が多い。たとえば、子供と母親は血はつながっているが、男性は本当の父親ではなくて母親が連れてきた新しいボーイフレンドであることが多い。
あるいはその逆に、子供と父親は血がつながっているが、女性は本当の母親ではなくて父親が連れてきた新しいガールフレンドである、というケースも稀にある。
要するに、片親の血がつながっていない場合、逮捕されてしまうほどの重度で恒常的な虐待が起こることが多い。
5月19日に静岡県浜松市で逮捕された虐待事件はどうだったのか。やはり、というべきか、子供と母親は血がつながっていたが、男は母親が連れてきたボーイフレンドで本当の父親ではなかった。
母親も同居の男も虐待を否認しているということだが、子供の身体には無数のアザが残されているので、閉じたドアの向こうで虐待が行われていた可能性は非常に高い。学校の先生が見つけなければ、この虐待は間違いなくエスカレートして子供の命に関わる事件となっただろう。
母親も同居の男も、その深層心理の中には「殺意」があったはずだからだ。