◆カマティプラ。診断女性の10人に6人がエイズ

◆カマティプラ。診断女性の10人に6人がエイズ

ムンバイはインド最大の商業都市として知られている。この地にはいくつかの荒廃した売春地帯があって、カマティプラはその中の最大の場所だ。ひとことで言うと、とても荒んでいる。それは、ここがスラムに囲まれた売春地帯だからというだけではない。

地域の荒廃、建物の荒廃よりも何よりも、もっと荒廃しているのは「女性たち」そのものだった。比喩ではない。

カマティプラの女性の肉体は、見てて傍目でも分かるくらいボロボロだ。女性の心もまるで暴力に占領されてしまったかのようだ。粗野で、暴力的で、意固地で、憎悪を剥き出しにしている。

ところで、ムンバイ(旧ボンベイ)の売春地帯カマティプラは「世界最大の売春地帯」という称号が与えられることもある。恐らくそれは、

(1)カマティプラはムンバイ最大の売春地帯である。
(2)ムンバイはインド最大の都市である。
(3)よって、カマティプラはインド最大の売春地帯である。

という三段論法から生まれた説なのではないか。まず、最初に言っておかなければならないのは、それは真実ではない。

カマティプラを歩いていると、実際にはカルカッタのソナガシの方がさらに規模が大きいことが分かる。

それは「少しソナガシの方が大きい」とか、「恐らくソナガシの方が大きいように思われる」という曖昧な次元の差ではない。ソナガシの方が、面積的にも、女性の数的にも、圧倒的に勝っている。

もし、「カマティプラがムンバイ最大の売春地帯である」というのならば……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インド・バングラデシュ編』にて、全文をお読み下さい)

『ブラックアジア・インド・バングラデシュ編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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