あなたは手っ取り早く金が欲しいだろうか? 真夜中のアジアに沈没していると、様々な人間が、様々な「手っ取り早く金になるビジネス」を持ちかけてくる。
バンコクでは「パスポートを売ってくれ」と言われた。日本人のパスポートは高く売れる。それを、買い取ってもそれを転売すれば金になる。利益は折半だと言われた。
「結婚して日本に連れて行ってくれ」と提案されたこともあった。「日本に入ることができたら金を払う」という。偽装結婚だ。日本に連れて行くと金になる。
そうかと思えば、インドネシア・バタム島では親しくなった用心棒たちにこう言われた。「金持ちの日本人を紹介してくれ。あとは、我々でうまくやるから」
そして、インドではこう言われた。
「日本の女をここに連れてきてくれ。金は払う」
インド各地の人身売買のブローカーから女たちを買い、売春宿に放り込むビジネスをしているこの男は本気だった。
インドの路上では果たしてこのようなものが売れるのか、と思うようなものを売っているのを目にする。名も知れぬ果物、古びた玩具、木の枝、ヤカンの水……。
売り手は、中年の男であったり、若い女であったり、枯れた老人だったり、子供であったりする。
彼らは一日中、道端に座り込み、客が自分の「商品」に興味を持ってくれるのを辛抱強く待つ。なるほど、インドでは何でも売ることができる。古タイヤも、動かない時計も、鸚鵡も、蛇も、犬も、何でも売る。
そして「人間」もインドでは売ることができるのである。
売春する女性は身体を売る。売春地帯で生まれ育ったのでなければ、彼女は他から連れて来られたことになる。とすれば、彼女たちをどこからか連れてきた人間がいる。
その人間は女性を調達し、売春宿に売り飛ばす。いわゆる人身売買業者である。インドは……
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インド・バングラデシュ編』にて、全文をお読み下さい)
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