ゲイラン・ストリート。シンガポール政府が用意した罪の街

ゲイラン・ストリート。シンガポール政府が用意した罪の街

アジアの貿易国家シンガポールは、リー・クワンユー元首相が作り出した熱帯の実験国家だ。

この卓越した政治家は、マレーシアから独立した後、多様な国民をまとめるために、あるいは国民の大多数を占める中国人の中華色を薄めるために英語を公用語として採用した。

ハイテク化を進め、クリーン&グリーン政策で、おおよそ熱帯の国とは思えないほど清潔な環境を作り上げた。 しかし、逆にそれが国民の極端な監視を生み出した。

ツバを吐いたら罰金、ゴミを捨てたら罰金、横断歩道以外のところを横切ったら罰金、電車で物を食べたら罰金、ガムを持ち込んだら罰金、麻薬を持ち込んだら死刑。

ありとあらゆるところで行政が国民を監視する。 そういう厳しい行政監視がこの国にあることは誰もが知っている。

だからこの国に来る観光客はショッピングのみが目当ての健全な観光客ばかりだ。間違えても、ハメを外したい不良外国人はこんな窮屈な国など見向きもしない。

しかし、どんな国であっても光があれば影もある。

シンガポールは自由貿易港という側面や、清潔で安全なショッピングの街という光が強い。だから、汚濁した売春地帯という影が話題になることはほとんどない。

ところが、実は光が強いだけ、影はそれだけ濃いのである。一部の男たちは、この国に政府公認の売春地帯があることを知っている。ゲイラン・ストリート、クレイグ・ストリート、リトル・インディアの一部などがそう言った売春地帯であるが、中でも有名なのはゲイラン・ストリートだろう。

ゲイラン・ストリートは電車MRT(Mass Rapid Transit)のカラン駅で降りて南へ歩き、道を一本降りると見えてくる。これをアルジュニード駅のある東側へ歩いていく。右側の横道で、Lor16、Lor18、Lor20などが見えたら、そこが政府公認の売春地帯だ。

シンガポールの中で闇に潜む男たちが……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア』。本編に収録できなかった「はぐれコンテンツ」を掲載。電子書籍にて全文をお読み下さい)

ブラックアジア外伝1
『ブラックアジア外伝1 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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