すべてを中国共産党政権の支配下に収める野望はやがて日本に牙を剥く

すべてを中国共産党政権の支配下に収める野望はやがて日本に牙を剥く

香港の「逃亡犯条例」改正案は、103万人に及ぶ国民の大反対のデモと大混乱を引き起こした。(ブラックアジア:揺れる香港。逃亡犯条例改正案が通れば、もう香港の一国二制度は終わり

混乱が続く中で、世界各国の非難を見た香港特別行政区行政長官キャリー・ラムは「分が悪い」と思ったのか、しぶしぶ「審議を無期限で延期する」と発表したのだが、これで香港は平穏に戻ったわけではない。

なぜなら、キャリー・ラムは「改正案は撤回しない」とも言っているからだ。

今回の延期は、習近平が6月末のG20を迎える前に、ひとまず状況を落ち着かせておこうという配慮から為された措置で、別に香港人のことを思ったわけではないと分析する人も多い。

中国は、いずれ再び香港を飲み込もうと動きを起こす。中国は常に「一刻も早く一国二制度を形骸化させる」ことを狙っている。中国にとって「民主主義」に染まった香港は邪魔な存在であり、早く民主主義を消し去りたいという意志が強く見える。

中国の意志は昔から変わらない。「すべてを中国共産党政権の支配下に収める」のが中国の野望である。中国は「膨張」を望んでいる。その中で邪魔者はすべて飲み込んで抹殺していこうとする。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

「審議を無期限で延期する」

 

中国の「膨張」が生み出した大混乱

執拗に香港の「一国二制度」を形骸化させようとする中国共産党政権が勝つのか、それとも香港人の「民主化の思い」が中国共産党政権を常に排するのか、まだ状況は分からない。

香港の運命がどうなるのかはまだ分かっていないが、今、香港の一国二制度と民主主義が岐路に立っているのは間違いない。これもまた、中国の「膨張」が生み出した大混乱であるとも言える。

「中国の傲慢なる膨張」は、今や世界各国の共通する重大問題と化した。

・民族大虐殺にまで発展しているチベット問題。
・民族のアイデンティティの抹殺に進んでいるウイグル問題。
・フィリピン・ベトナムとの南沙諸島問題。
・親中派によって属国化を目論む台湾問題。
・日本との尖閣諸島問題、沖縄問題。
・アフリカの資源を根こそぎかっさらっていく資源問題。
・世界中で自然環境を根こそぎ破壊していく開発問題。
・軍拡によっても対立構造になっている米中問題。
・取り込まれていく東南アジア各国。

そして、ここに「一国二制度」が形骸化し、中国に飲み込まれていこうとしている香港の問題も浮上している。

これらはすべて「中国の膨張」が生み出している。

中国は、習近平の時代になってから、いよいよ「中国こそが世界の中心である」という中華思想を前面に押し出していくようになった。中国は周辺国を次々と「中華色」で染め上げて、自分の属国に仕立て上げようとしている。

オバマ時代のアメリカはこれを放置したが、これ以上の放置はアメリカの国力低下と覇権の崩壊にもつながる。だから、米中の「新冷戦」が始まっている。

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そして、中国は勘違いするようになった

中国がここまで強気で膨張を推し進めているのは、今や中国がアメリカと並ぶ経済大国になったからだ。その成長の資金は、言うまでもなく全世界が中国に投資することによって生み出された。

グローバル経済が、中国というモンスターを生み出した。

グローバル経済とは、国際間の競争の中で、利益を上げることが至上命令の世界だ。極端に言えば、利益を上げるためには「何でもあり」の世界になる。

各企業はグローバル化した企業の競争に打ち勝つために、コスト削減をとことんまで突き詰める必要にさらされた。コストを下げるために、メーカーは人件費の高い国を避けて人件費の安い国へと移動する。

人件費が安い国、物品が安い国は、後進国であるのは自明のことなので、勢い先進国の企業は「後進国」を「新興国」と言い換えて、そこになだれ込んで行った。

そのうち中国については、人口も非常に多く、人々の購買力もついたことから、工場だけではなく、市場としても俄然注目された。

だから、世界中の企業や国家が中国にのめり込み、これが中国の地位を一気に押し上げたのである。この流れは1980年代からずっと続いており、2000年代に入ってからの成長は特に目を引いた。

世界中の企業がこれを見逃すはずがなく、成長率の高い中国へと投資を繰り返してきた。すべての企業が14億人の巨大市場になびいたとも言える。そして、中国は勘違いするようになったのだ。

「次は自分たちの時代だ」と……。

香港特別行政区行政長官キャリー・ラム。混乱が続く中で、世界各国の非難を見たキャリー・ラムは「分が悪い」と思ったのか、しぶしぶ「審議を無期限で延期する」と発表したのだが、「改正案は撤回しない」とも言っている。

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中国が世界を包み込むような形に

欧米先進国の多国籍企業はすべて中国に期待し、投資していた。先進国は、中国を育て上げたら、いつか中国共産党政権も民主的になり、巨大になった中国市場からも実を刈り取れると思っていた。

しかし、そうならなかった。

気がついてみれば、中国共産党政権はより独裁色を強めてモンスターのようになっていて、先進国を振り回し始めていたのだった。先進国が中国を刈り取るのではなく、中国が世界を包み込むような形になってしまっているのである。

そして今、「中国の膨張」と「中華思想」は、全世界が無視できない大きな問題になったのだ。

すでに「一帯一路」で経済植民地化されたアフリカや中南米に対する中国の影響力は、非常に大きくなっているし、東南アジアもまた中国の資金攻勢に負けて植民地化されつつある。

シンガポールですら、中国経済から恩恵を受けたいがために、公用語の英語を中国語に切り替えんばかりのスタンスで次世代に望んでいる。タイ・カンボジア・フィリピン・マレーシア・インドネシアは、中国の力は伝統的に強い。

政治的に密接に関わっているミャンマー・ラオス圏や、政治的に反撥をしながらも経済的には強い依存のみられるベトナムも、すでに中華経済圏である。カンボジアの独裁者フン・セン首相も、すっかり中国に取り込まれた。

これらをすべて含めると、中国の存在というのは、日本人の考える以上の影響が、まさに複合的に重なりあって重みを増していることが分かる。

そして今、この中国が香港を獲りに動いている。

かつて、経済発展すると中国共産党も民主化されて香港のようになっていくと思われた時代もあったが、今は誰もそんな楽観的なことを考えている人はいない。このまま放置していると、いずれ中国は香港の民主主義すらも奪い取る。

この中国は、虎視眈々と日本を狙っているのだから、中国共産党政権の膨張を止められなかったら、日本で何が起きるのかは誰でも分かるはずだ。

民族大虐殺にまで発展しているチベット問題は日本でも再現される。民族のアイデンティティの抹殺に進んでいるウイグル問題も日本で再現される。尖閣諸島や沖縄はそのまま中国に取られる。

尖閣諸島の資源も、すべて中国に取られる。親中派によって属国化を目論む台湾問題も日本で再現される。政治も経済も中国に乗っ取られる。

香港や台湾が飲み込まれたら、次は日本も獲られるということだ。すべてを中国共産党政権の支配下に収める野望はやがて日本に牙を剥く。(written by 鈴木傾城)

中国・習近平と、香港のキャリー・ラム。親中派のキャリー・ラムは香港の「一国二制度」を一刻も早く形骸化させるために中国政府が送り込んだ傀儡でもある。

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