中国共産党から「やるな」と指示されたら、従わなければ死ぬのが中国。どこかの国みたいに「この国は表現の不自由だ」とか言って、『表現の不自由展』を税金で開催するような甘ったれた話にはならない。今、中国では独裁統制国家が極度に進んでいこうとしている。(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)
次々と芸能界からの抹殺・引退に追い込まれている
中国で「表現の不自由」が進んでいる。私自身は芸能界には1ミリも関心がないので、日本の芸能人も誰が誰だがまったく知らないし関心もないし興味を持つこともない。まして中国の芸能人など1人も知らない。
しなしながら、ここ最近になって、中国の芸能人の多くが中国政府や中国世論の槍玉に挙げられて、次々と芸能界からの抹殺・引退に追い込まれている「動き」には関心を持っている。
いくつかの報道によると、ウー・イーファン、マー・ウェイウェイ、シュー・シーディー、チェン・フォン、フオ・ズン、チャン・ジョーハン、ジェン・シュアン、ガオ・シャオソン、ヴィッキー・チャオ……等々が、それぞれの問題行動を指摘されて、逮捕や引退や封殺に追い込まれている。
チャン・ジョーハンという俳優は中国の芸能界から追放されているのだが、この俳優は何をしたのか。日本を観光し、桜が舞い散る靖国神社で写真撮影した。
中国では靖国神社は「軍国神社」であると認識されているので、そんなところで記念撮影を撮るというのは売国奴だという判断を受けて、20社以上のCMから下ろされて、芸能界から放逐された。
ガオ・シャオソンというのは音楽プロデューサーだったのだが、この男も過去に靖国神社の観光を勧める発言があったとして袋叩きにされたのである。
他は強姦、セクハラ、脱税、不用意な発言等々で叩かれて蹴り出されているのだが、こうした動きの裏側には中国共産党の意向があることは誰もが知っている。何が起きているのか。
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「男らしくない」芸能人はみんな芸能界から追放する
「ブロマンス」という言葉を知っているだろうか。ウィキペディアでは以下のように説明されている。
『ブロマンスとは、2人もしくはそれ以上の人数の男性同士の近しい関係のこと。性的な関わりはないものの、ホモソーシャルな親密さの一種とされる』
中国では今、このブロマンスをテーマにしたドラマや小説やマンガ作品が次々と糾弾されて、市場から姿を消している。
何が起きたのか。
中国共産党政権が「ブロマンスみたいなものは男らしくない」という見解を示して、各所に中止するように「指示」を出しているのである。そして、ブロマンスを体現するアーティストや俳優や表現者は「間違った政治的な立場」を取っているとして起用すべきではないとも公言している。
化粧して腰を振って集団で踊っている男性の歌手だかダンサーだか、そういうのも「男らしくない」というので、今後は禁止になる。テレビ局に指導が入っているので、もう永久追放されたも同然だ。
中国共産党の「指示」というのは、言ってみれば「命令」である。これに従わなければ、関係者は吊し上げを食らって時には投獄されて拷問されたり殺されたりするかもしれないのだから言われた通りにするしかない。
どこかの国みたいに「この国は表現の不自由だ」とか言って、『表現の不自由展』を税金で開催するような甘ったれた話にはならない。中国共産党から「やるな」と指示されたら、従わなければ死ぬのが中国なのである。
さらに、中国共産党は芸能人が莫大な報酬を得て、ちゃらちゃらとしたセレブ生活をSNSなんかで見せびらかしている風潮もやるなと「指示」して、見せしめに何人かの芸能人を脱税で逮捕している。
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習近平は彼らが強大になる前に叩きつぶして回っている
日本では「LGBTの権利を認めよ」とか、自民党の議員が先頭に立って言っているような国だが、中国ではまるっきり逆の事態が進んでいるということだ。
これだけではない。中国共産党は「ゲームも精神的アヘンである」と断言して、「未成年のゲームは週末夜1時間のみ」「インターネットでゲームの配信をやっているような人間は社会に悪影響を与えるので追放せよ」という指示も出している。
つまり、指示という命令を出して、中国社会から抹殺しようとしている。当然のことながら中国のゲーム会社もそれに従わざるを得ない。
ゲームの製作や配信によって莫大な利益を得ている中国のIT企業もこうした「指示」によって売上を落とすことになるのだろうが、中国共産党はIT企業の売上なんかどうでもいい。
そもそも、最近の中国IT企業はあまりにも莫大な利益と影響力を持ちつつあったので、アリババのジャック・マー氏も中国共産党からあっと言う間に排除(キャンセル)されたのは記憶に新しい。
習近平を追い落とすほどの勢力と財力と影響力を手に入れようとした人間は、みんな追い落としにあっている。
こうした動きを見て、「習近平の文化革命が起きているのだ」という人もいる。今まで中国は「欧米に追いつけ、追い越せ」とがむしゃらに資本主義的な世界を追求して突っ走っていたのだが、ここ数年で習近平の立場は変わった。
このまま資本主義的な方向で突っ走っていると、芸能界やらIT企業の経営者やらあちこちの分野で「習近平以上に有名に、習近平以上に金持ちに、習近平以上に影響力を持つ」人間が登場しかねない。
このような人間たちは「中国共産党」という最大の権力構造に地殻変動を引き起こす可能性がある。だから、「習近平は彼らが強大になる前に叩きつぶして回っている」というのである。まさに「習近平の文化革命」である。
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中国からヒト・モノ・カネをすべて引き上げて縁を切れ
中国共産党は「一党独裁である」という表現がよくされるのだが、中国共産党が強いている文化規制をつぶさに観察してみると、そういうレベルのものではないというのが分かる。
中国共産党というのは「絶対権力」なのである。だから、政治の分野で「一党」であるのは当然で、社会のすべてを「党」が思うがままに支配する社会システムを作り上げている。
中国共産党が「駄目だ」というものは、反論も許されずに駄目なのだ。「表現の不自由だ」と騒ぐ自由もない。逆らうものはすべて抹殺である。
この抹殺というのは、社会的抹殺というものから物理的な抹殺も含まれている。逆らう者はみんな中国共産党に抹殺される。
毛沢東の文化革命は、都合の悪い人間を捕まえて引きずり回して集団の中で自己批判させて抹殺していた。さすがに習近平はそういう目立つ抹殺はしないようだが、社会から消し去るのは確かなので、当事者の恐怖は底知れぬものがあるはずだ。
今、中国は凄まじい「統制国家」になっていこうとしている。
「中国は発達したら民主化する」とか言っていた下劣な評論家は、過去の発言をなかったことにしているが、責任を取るべきである。あと、ジム・ロジャーズみたいな頭のおかしい投資家も責任を取るべきだ。
ジム・ロジャーズは、10年も20年も前から「次の時代は中国だ」とか「アメリカが没落して中国が世界を支配する」とか馬鹿なことを放言して投資資金を中国に誘導していた。
こんな国に世界を支配してもらいたいと思う人間はどこにもいない。中国共産党を強大化させるために投資資金を流し込むような馬鹿な喧伝はしてはいけないし、それはすべて間違っている。ただの間違いではない。
人類を不幸に導く壮大な間違いである。
今後、中国はますます中国共産党の独裁統制国家となる。そして、習近平の王朝国家となる。
日本ができることは、中国からヒト・モノ・カネをすべて引き上げて縁を切ることに他ならない。関われば関わるほど不幸になる。この事実に日本は気づくべきだと私は強く訴えたい。
冬のオリンピックが終ったら、反日、反米など
嫌がらせのオンパレードになるでしょう。
中国に進出している企業は、リスクを正視して
早急に対策うつべき。
わが国の政治経済上層部は親中派といえばまだ聞こえはいいけれど(いいのかしらん?)その実体は工作員みたいなのがようけおるようで。私なんかにわかるような行いと発言でそれと知れるのは実はまだ小者なのかもと時々思います。
アメリカさん内部も相当やられてるとしか思えないですしね、現大統領はただのボケ爺かもですがその息子さんとか現副大統領とか前国務長官とかとか
とてもキモチ悪い…。