世界中がオミクロンで経済的に大ダメージを受けており、アメリカもすでに株式市場も調整が始まって冴えないことになっている。中国も経済成長が落ちて、いよいよピークを過ぎた兆候が出てきている。
しかし、コロナ禍をモノともしないで驚異の経済成長を遂げている国がある。
それがバングラデシュである。世界銀行の統計では2021/2022年度の実質GDP成長率は6.4%。来年度は7.1%に至るのではないかとも予測されている。
要するにバングラデシュは「絶好調」なのである。
人口はどんどん増え続けて日本人よりも多く、すでに1億6400万人を超えている。しかも人口動態を見るときれいなピラミッド型であり、子供たちが非常に多くて高齢者が少ない。
少子高齢化の日本とは真逆で、まさに「これからの国」である。
「これは1980年代のタイ、そして2000年代のカンボジアだな。だとしたら2020年代はバングラデシュがかなり面白い国になるのかもしれない……」
私はそのように思っている。それぞれの国で、経済発展が始まる前と始まった後の国の姿を見つめる機会が私にはあった。
経済発展すればするほど国の姿がどんどん変わっていき、「これは私が知っているあの国なのか?」と呆然とするほど街の光景が変わってしまうのだが、それが1980年代のタイであり、2000年代のカンボジアだった。
バングラデシュは、これから街が大変貌していくのだろう。首都ダッカを含め、主要都市が時間をかけて欧米風の都会に変わっていく。もちろん、古い貧困の象徴のようなものが最初に壊されていく。
売春地帯は、今後の20年で消されていくのだろう。