2005年。ナイジェリアに石油掘削のプロとして雇われていた45歳のイギリス人、ギャレス・マッグラー氏は、ナイジェリア最大の都市ラゴスで、ひとりの現地女性に恋をした。
彼女の名前はジェシカと言った。彼女は優しく、魅力的で、知的で、優しかったという。
ジェシカは当時26歳。ギャレス・マッグラー氏はたちまち彼女に恋をして、ナイジェリアで電撃結婚した。
結婚式の後のパーティーは、彼女の家族と共にレストランで盛大に行った。やがて、ギャレス・マッグラーのナイジェリアでの仕事が終わると、彼らはロンドンに居を移してそこで暮らし始めた。やがて、ふたりは子供にも恵まれた。
ジェシカは敬虔なクリスチャンだった。嫌がるギャレス・マッグラーを引っぱってでも教会に連れて行き、貧しい人たちを見かけたら、いつも手持ちのお金を寄付していたという。
そして、彼女はビジネスの才もあった。彼女は「黒人用のウィッグを売るビジネスをする」と言って、イギリスに来てからずっとそれをしていたのだが、そのビジネスは羽振りが良かった。
彼女には友達がたくさんいて、誰もが彼女を好いていた。そんな女性が殺され、彼女が何者だったのか誰もが彼女の「正体」を知ることになった。