アメリカは戦争を続けてきた国である。アメリカが建国された1776年から今日まで、その90%が戦争の年月だった。アメリカは常に戦争を欲している。(「自由はただではない」という言葉の裏には何があるのか?)
そして、そのためにアメリカには世界最強の軍隊を養っており、さらにその軍隊と民間がつながり、「軍産複合体」を作り上げて国が回っている。
最近までのアメリカの敵は「イスラム過激派」だった。アメリカは1990年代に「共産主義」という巨大な敵を喪失していたが、やっと2001年に新しい敵を「見つけた」のだ。
しかし、最近はタリバンもアルカイダもISISも完全に極小勢力になってしまってアメリカの敵ではなくなってしまった。そうなると、どうなるのか。軍産複合体は勝ち誇るのか。
いや、まったくの逆だ。敵がいなくなると、巨大化した軍産複合体は存在価値を喪失し、予算が減らされ、リストラがはびこり、企業が縮小し、金食い虫として議員や国民の目の敵にされて解体されてしまう。
何のことはない。戦う相手がいなくなってしまうと、無用の産物として存在そのものが否定される。必要なのは何か。それは「新しい敵」だ。何としてでも長期に渡って戦える相手が必要なのだ。