野良犬の女たち

◆ストリート売春するトランスジェンダー(2)。彼女はニューハーフではない

電話に出た対応の男は若い声で丁寧だったが、畳み掛けて押し付けるような雰囲気を持っていた。私がトランスジェンダーの女性が出勤しているのかどうかを確認したら、「ウェブには在籍中になっているが接客中で2時間後になる」と言われた。 「時間がもったいないので、それならあきらめるよ」 私がそのように言って電話を切ろうとすると、「ちょっと待って下さい」と数秒ほど待たされてから、このように勝手に話を進めていく。 […]

◆ストリート売春するトランスジェンダー(1)。日本がパンドラの箱を開ける日

新宿の西口から東口に向かうために思い出横丁のガード下のトンネルのようになった通路を歩く。この通路はいつしか改装されて明るく清潔になったのだが、以前からホームレスたちがダンボールを敷いて寝る場所には違いないので、今でも都会のどん底《ボトム》がどうなっているのかを垣間見ることができる。 この日も三人のホームレスが通路の脇でダンボールと毛布と寝袋を敷いて、プラスチックのお椀を道ゆく人たちの前に置いて物乞 […]

◆美のオーラを発していた彼女は、いかにして男が徹底的に嫌いになったのか?

フェミニストの「男性憎悪《ミサンドリー》」は男女の分断を深めていく一方で、女性の立場をより悪化させているように見えることもある。(自分の男性憎悪を吐き出すためにフェミニズムという看板を使う女性がいる?) まるで男という存在そのものが「この世の悪」のような勢いで、激しく批判と攻撃を繰り返したら、男の側もまた激しい憎悪を女性に持つ。そうした憎悪の連鎖がジェンダーを起点にした分断と対立を限りなく煽って、 […]

◆なぜトップランクの風俗嬢たちはコロナ禍の中でも出勤を減らさなかったのか?

五反田の喫茶店で以前から知っているひとりの風俗嬢と半年ぶりくらいに会った。 彼女は、私が情報源にしている女性のひとりなのだが、生まれてこの方ただの一度も表社会で働いたことがないという筋金入りの風俗嬢でもある。今は、たまにデリヘルで働いたり働かなかったりしながら何となく暮らしている。 去年の秋頃から風俗には戻ったことは戻ったが、最近は風俗の仕事はあまりしていなくて「貯金で暮らしている」と彼女は言った […]

◆裏社会の成功体験は、より女性を堕とす。「あの年代」の女たちが戻っている

2020年は中国発コロナウイルスによって女性の苦境が鮮明化しつつある。自殺が増えているのだが、先が見通せなくなった10代の女性の自殺も多い。 コロナ禍によって雇用者数は減少しているのだが、その多くは非正規雇用者である。7月時点で前年同月比131万人の減少である。言うまでもないが、非正規雇用者の割合は男性よりも女性の方が多い。 休業も女性の方が男性よりも3.9倍多い。女性はコロナ禍で男性よりも追い込 […]