人権も人道も寛容も、度が過ぎると毒になる現実があぶり出される

人権も人道も寛容も、度が過ぎると毒になる現実があぶり出される

スウェーデンやドイツは怒涛のように流れ込む移民・難民に対して実に寛容な国家だった。

この両国の既存の政治家が異様だったのは、移民・難民が大量に入り込むことによって「何が起きるのか」ということに想像力が働かなかったことだ。

異民族を大量に入れれば、文化的軋轢が広がり、国の中は対立と衝突と文化破壊につながるとなぜ気づかなかったのか。そして、異宗教が国の中で大量に広がれば、自分たちの文化が脅かされるとなぜ気づかなかったのか。

「多少の対立や衝突はあるだろうが、乗り越えられる」と思ったのであれば、なぜそのように思ったのか。

それは、EU(欧州連合)の既存の政治家たちは、みんな「自分たちは人権に配慮すべき」「自分たちはすべての民族に対して寛容であるべき」という理想にあまりにも強く洗脳され過ぎてしまって、現実が見えなくなってしまったからだ。

どんな人権優先主義者でも、自分の家に大量のホームレス、犯罪者、ドラッグ依存者を迎え入れて一緒に暮らす人はいない。自分の家は自分や家族のものであって他人のものではない。

「かわいそうな人たちは助けるべき」と強く主張する人であっても、自分のプライベートな空間の中に他人を入れることは決してない。自分のアイデンティティやプライバシーを守るためには、そうするしかないからである。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

人々は悪夢の中でやっと目を覚まし始めているのだ

スウェーデンやドイツは、政治家のみならず国民までもがみんなまとめて理想主義に洗脳されてしまっていたので、当初は移民や難民を大量に受け入れてもうまくやっていけると心から信じていた。

そして「かわいそうな移民・難民の人たちを救う自分たちの寛容さ」を世界に示すことに深い満足を得ていた。移民・難民に門戸を閉ざす閉塞的な国があったら「我々のように寛容さを示すべきだ」と説教さえした。

ドイツのメルケル首相もまた2015年には日本にそのように説教していた。

しかし、移民・難民に対する寛容を示していたメルケル政権は今、国内で「移民ばかり優遇するな」と激しい突き上げを食らい、票を失い、政権は吹き飛ぶ寸前になっている。

今までの実績があるので、かろうじて何とかグローバル・メディアの印象操作に助けられて政権を維持しているが、もうドイツ国内では支持されていない。

スウェーデンでは2018年9月9日に総選挙が行われたのだが、ここで目立ったのは反移民を掲げるスウェーデン民主党(SD)の躍進である。

スウェーデンでは「スウェーデン人は白人で、スウェーデンは我々のもの」という歌を議員がフェイスブックでシェアしているだけで「人種差別主義者だ」として追放されるほど左派が強い国である。

そんなスウェーデンでも、「移民は出て行け」と明確に叫ぶ保守派の追い上げは非常に強く明確なものになっているのは、10年前までは想像すらもできない変化である。

スウェーデンではレイプや強盗が爆発的に増えているのだが、その多くは移民や難民が引き起こしたものである。しかし、それを指摘すると「人種差別」と糾弾されるので、誰も声を上げられない。

人権や寛容も、度が過ぎると悪夢になる。人々は悪夢の中でやっと目を覚まし始めているのだ。

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スウェーデンの歴史を変えるほどの出来事だった?

ニューズウィークでは、2018年09月06日の『人道大国がどんどん不機嫌になる理由 北欧スウェーデンでも極右政党が台頭』という記事の中でこのように指摘している。

『同国の犯罪防止国民会議の調査では2016年に国民の15.6%が暴行や脅迫、性犯罪、強盗などの被害に遭っていた。前年の13.3%から上昇し、06年に統計がとられるようになってから最悪を記録。05~14年には平均0.9%だった性犯罪は2.4%に跳ね上がり、若い女性の14%が被害を訴えた』

『移民2世、3世の若者がギャング団を結成し、銃を使った殺人が多発するようになり、1990年代は年4件だったのが昨年は10倍の約40件にまで膨れ上がった。銃撃事件は306件。今年8月には南西部ヨーテボリ郊外で100台以上の車が放火され、容疑者の1人がトルコで拘束された』

スウェーデンは大量の移民を受け入れるようになってから、目に見えて「社会が悪化している」というのがデータでも見えるようになってきている。

若い女性の14%が被害を訴えているのだから、その治安崩壊は尋常ではないというのが分かるはずだ。

今回の総選挙で、「反移民」を明確に掲げるスウェーデン民主党は劇的に躍進したのは「スウェーデンの歴史を変えるほどの出来事である」とイギリスのBBC放送は報道した。

しかし、今もなお台頭する「反移民」や「保守主義」に激しい拒絶感を持つスウェーデン人もいて、スウェーデンは完全に目覚めていない。

グローバル・メディアが押し付けている「人権を尊重し、寛容であるべき」という理想主義に洗脳されたまま現実が受け入れられない人々が大勢いて国内が割れている。

スウェーデンの大学教授は『移民・難民が急増した結果、移民を助けるのか、それとも(スウェーデン生まれの)我々を助けるのかという形で意見が割れている』と表現している。

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日本人よ。EU(欧州連合)の惨状をよく見るべきだ

今回の総選挙の結果を受けて、移民・難民たちが反省してギャング団を解散し、真っ当な生き方をするだろうか。

まさか。彼らは今までやりたいようにやり、犯罪的行為をこれからもずっと続ける。ギャング団というのは、本来はそういう性質を持った集団だからである。

そうであるならば、スウェーデン民主党の支持と躍進はこれからもどんどん層が厚くなっていき、やがては政権に辿り着くのは時間の問題であると考えるのは不自然なことではない。

2018年4月8日には、ハンガリーで「移民はハンガリーをゆっくりと、しかし確実にむしばむ錆(さび)のようなものだ」と言っていたオルバン・ビクトル氏が圧勝している。(ブラックアジア:狡猾な犯罪者ほど「人権を守れ」「共生」と叫ぶ理由とは?

ハンガリーだけではなく、フランスでも、ノルウェーでも、スウェーデンでも、オランダでも、ギリシャでも、スイスでも、ドイツでも、ヨーロッパ全土の「普通の人たち」が移民に拒絶反応を起こしている。(ブラックアジア:多文化主義を推進したEUに未来はない。あるのは混乱と破壊だけだ

「自由・平等・博愛」と言っていたフランスは、当初は大量の移民が入り込んでフランスが多民族国家になることに大きな理解を示していた。

しかし、今は昔だ。

だんだんと移民たちが強盗・レイプ・暴動・人身売買・ドラッグ売買のネットワークを広げていき、フランスの治安は完全に崩壊していく中で、移民・難民に距離を置く人々が増え始めた。

さらにフランス国内でも何度もテロ事件を引き起こすのを目の当たりにして、「もう我慢できない」と反移民・難民に転向した人が爆発的に「反移民」の右派勢力を支持するようになっていった。

そうであれば、スウェーデンでも数年後には右派政党が国を飲み込むのは別におかしなことではない。

多文化共生というくだらない理想は世の中を混乱させるだけに終わった。人権も人道も寛容も、度が過ぎると毒になるというのも現実があぶり出すようになった。

理想主義者の夢は悪夢になり、やがては対立と衝突と暴力という現実が現れる。理想は常に巨大な対立と衝突と暴力を生み出すのである。それが生々しい現実だ。

日本人よ。EU(欧州連合)の惨状をよく見るべきだ。(written by 鈴木傾城)

スウェーデン民主党の党首ジミー・エイクスソン。スウェーデン民主党の支持と躍進はこれからもどんどん層が厚くなっていき、やがては政権に辿り着くのは時間の問題であると考えるのは不自然なことではない。

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