
日本人は日本という国が「犯罪が少ない社会だ」とか「民度が高い社会だ」とか言って自画自賛することも多いのだが、すべての日本人は自戒する必要がある。そうした「優しい世界」に過ごしていると、悪逆無道かつ極悪非道で善意の欠片もないような世界に免疫がなくなる。悪意の塊のようになった醜悪な被害者ビジネスをする人間のクズさに圧倒される。(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)
人間性の欠片すらもなかった女
世の中には「被害者ビジネス」というものがある。わざと自分が被害者になるように相手にワナをかけ、その他人に向かって「自分に謝罪しろ、賠償しろ」とわめく。そして、相手を恫喝しながら金をむしり取る。
この被害者ビジネスをするには、まずは自分が被害者にならなければならない。そのため、わざわざ自分が被害に遭うように行動する。意図的に被害者になる。
たとえば、「当たり屋」というのがある。これも被害者ビジネスの一例だ。自分から車に当たりに行って、「車に当てられた。謝罪しろ、賠償しろ」と相手をなじって金をむしり取るのが「当たり屋」だ。
被害者ビジネスをやる人間は、車だけでなくいろんなモノに当たる。被害者になれればいいので、あらゆる手口で被害者になりすます。
たとえば、連続家族乗っ取り殺人鬼の尼崎の凶悪犯罪者、角田美代子も事件を起こす前から被害者ビジネスのやり手で有名だった。(ブラックアジア:角田美代子。売春地帯から出てきた日本最悪の女性犯罪者)
角田美代子の特長は、容赦ない暴力性・残忍性と、人を人と思わない冷酷さを持ち合わせていたことだ。普通の人間なら、思いついてもやらないようなことを、この女は平気でやった。人間性の欠片(かけら)すらもなかった。
この女は、李正則という男を手下にして、いくつもの家族を乗っ取り、善良な人を次々と拷問して殺し続けた凶悪犯罪の首謀者として知られている。しかし、その前から細かい被害者ビジネスを次々と引き起こしていた。
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犯罪者が被害者になって恫喝する
角田美代子は、例えば他人に宅急便の荷物を預からせて、それを受け取ったら「壊れていた。謝罪しろ、賠償しろ」とわめき立てて近所に迷惑がられた女だった。
また近所に馴染みの店を作ると、最初は愛想良く大量買いなどをして店に金を落とすのだが、頃合いを見て食べ物にあることないこと文句を付けて、やはり最後には「謝罪しろ、賠償しろ」とわめき立てて店から多額の金を奪い取った。
これが、被害者ビジネスのやり方である。
何でもいいから、常に自分が被害者になりすます。そして「謝罪と賠償」を迫る。被害者ビジネスというのは、まさに人間のクズが行う最悪のビジネスであり、手口である。
何でもかんでも差別のせいにして、自分以外のすべてを罵るのである。イージーなビジネスだ。実際に差別されていなくても、「差別された」とわめき立てればいいだけだからである。
そして自分を批判してくる人間を、みんな「差別主義者」「レイシスト」とレッテルを貼り、まわりにわめき立て、時にはマスコミの前でもわめきたてて、大袈裟に泣き叫ぶ。
なぜ大袈裟に泣き叫ぶのか。そうすれば被害者ポジションに収まることができて、多くの人に注目され、同情されるという計算があるからだ。声高に泣き叫んで同情を得れば、このビジネスは成功だというのを知っているので、アカデミー賞ものの演技をする。
「実際に差別されていないのではないか?」と疑問を呈する人間がいると、その人間も差別主義者にしてしまう。そうやって、真実を知られることを拒み、ひたすら相手を悪者にして罵倒し続ける。
謝ったらいいのか? いや、謝るのは最悪の選択なのである。被害者ビジネスをする人間はそれを待っている。
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リンチ事件を引き起こしながら被害者を装う
被害者ビジネスをする人間を前にして謝るというのは、相手の手の内に落ちてしまうのと同じである。相手が謝ると「謝罪が足りない。誠意が足りない」と恫喝し、何度も何度も金を奪い取る。
被害者ビジネスというのは、犯罪者が被害者になり、被害者が加害者になるというものだ。人間社会の誠意を踏みにじるのが被害者ビジネスである。「被害者ビジネス」をする人間は、基本的に犯罪者であるという認識が必要だ。
自分にも非があるのかどうかを絶対に検証させず、ただひたすら相手が悪いとねじ込み、執拗に、粘着的に、凄まじい執念で、朝から晩まで相手をなじり続ける。
このような人間は、角田美代子を見ても分かるように、しばしば刺青を入れた見てくれの厳つい裏社会のチンピラを引き連れていて、「自分に逆らったらどうなるのか分かっているのか」という脅迫を行う。
被害者が相手を恫喝するということ自体が力関係の逆転が起きているのだが、それでも本人は「自分は被害者」という立場を崩さない。
たとえ、角田美代子のように凄惨なリンチ事件を起こしても、自分は被害者であるという立場をわめき散らす。リンチ事件を引き起こしながら、自分は被害者であると言うのだから、その精神構造は異常であると言うしかない。
角田美代子のような「被害者ビジネス」をする人間は、そうやって次々とターゲットを変えながら大金をむしり取る。
こういう角田美代子のような、どうしようもない人間のクズがうごめいているのが社会の現実である。表社会でも裏社会でも、国内でも国外でも、この手の極悪人と人間のクズで溢れている。
アンダーグラウンドの人間どもの悪辣さは、しばしば正常な人間の常識を超えていく。「これほどまで人間は醜悪なのか」というところまで悪辣になる。善意しか知らない人間はこうしたアンダーグラウンドの醜悪さに慣れていないので、巻き込まれると精神を病む。
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地獄はあの世ではなくこの世にある
日本人は日本という国が「犯罪が少ない社会だ」とか「民度が高い社会だ」とか言って自画自賛することも多いのだが、すべての日本人は自戒する必要がある。
そうした「優しい世界」に過ごしていると、悪逆無道かつ極悪非道で善意の欠片もないような世界に免疫がなくなる。悪意の塊のようになった醜悪な被害者ビジネスをする人間のクズさに圧倒される。
常に人を罵り、一方的に叫び、わめき、がなり立て、お前が悪い、お前が加害者だ、お前が犯罪者だと決めつけられ、謝罪しろ、賠償しろ、死ぬまで謝れ、1000年謝れ、とにかく謝れと朝から晩まで執拗かつ執念的にねじり込んでくる悪人がうごめく世界が存在することに耐えられなくなる。
日本は平和かもしれないが、世界はそうではない。そう考えると、「友愛」だとか「みんな友達」だとか「人類みな兄弟」を信じるのは、いかに無邪気かつ馬鹿げたことであるということが分かるはずだ。
今どき、そんな無邪気なことを言っていると、一瞬にして被害者ビジネスをするクズどもの餌食になる。善意を見せれば見せるほど泥沼に堕ちる。
この被害者ビジネスで最も大きなダメージを被るのは誰なのか。それは世の中が「誠意と真心」でできていると思っている人である。悪人たちがうごめく世界に免疫ができていない人である。地獄はあの世ではなくこの世にあると知らない人たちである。
つまり、性善説で生きている日本人が最も被害に遭う。
だからこそ日本人はもっと被害者ビジネスを警戒し、社会全体でこの手口を周知する必要がある。学校の教科書にも載せ、テストに出し、街で「客引きと、被害者ビジネスに気をつけましょう」とアナウンスすべきなのだ。
私から見ると、日本人は人を信じ過ぎる。それは日本人の長所かもしれないが、致命的な欠点でもあるとも言える。それを意識していないと、「優しい世界」に獰猛な狼のような人間がやってきて、ひとり残らず食われることになる。
被害者ビジネスはハイリスクなので止めたほうがほうがいいです。
本当に被害にあっていても世間はどうせ嘘だろう。
と思うからです。
また強盗して大金を手に入れても使ったら「どうやって稼いだ?」
と詰問さればれます。
悪銭身につかずとはよくいったものです。
>>被害者ビジネスをする人間を前にして謝るというのは、相手の手の内に落ちてしまうのと同じである。
全くその通りですが、普通の日本人同士であれば謝ればそれで済んでしまうのでつい謝りがちです。しかしそうでない人間には絶対に謝ってはいけません。
長男が大学1年に入った年、中学の同級生男女各3人の6人で居酒屋で楽しく飲んでいたら男二人組に因縁をつけられ、いきなり長男が殴られた事件がありました。念の為に言うと長男は自分から喧嘩を売るタイプではありません。
私は翌日が月曜日なので自宅で寝ていましたが、寝室に妻が子供から電話だからと来ました(私は安眠するために夫婦別室で寝ています)。電話に出ると「いきなり殴られたので殴り返した。」と言うので「それじゃ別にお前が悪くないから良いじゃないか。」と電話を切ろうとすると事態は相当切迫しているようで「どうしても来て欲しい。」と懇願します。
仕方がないので現場に行くと何でもパトカー2台が駆けつける大騒ぎになっただけでなく、子供を殴った相手の兄貴分と言うのまで来ていました。警官は過剰防衛だと子供を攻め立て、それに勢いを得た兄貴分がどうしてくれるんだと騒ぎ立てます。
中学3年生で既にスポーツテスト1級と言うずば抜けた腕力の私の子供に喧嘩を売るなんて、命知らずの馬鹿な奴だと内心思いながら、いきなり殴った相手を見るとガタイも良く身長180cmはありそうです。こんなのにいきなり殴られたら大抵の男は反撃できなかったのでしょうが、うちの子供相手では勝手が違い一方的にボコボコにされてしまい、今度は痛い痛いと騒ぎ立て被害者面を始めたという訳です。
馬鹿な警官が過剰防衛と言うので「それは違うだろう、相手がいきなり殴りかかってきた以上、相手が戦闘能力を無くすまで殴り返すのは正当防衛の範囲内だ。」と言い返します。子供を殴った相手には「お前が喧嘩を売ったんだろう、負けたら被害者面するのか。」としっかり言うべきことを言うと隣にいた兄貴分が「何この野郎。」と横から割り込んできます。
したたかな私は警官に向かって「私、この人に脅かされているんですかね?」とわざと大きな声で聞きます。まあ、これも相手の反撃を抑える為のテクニックですが、、、、、、、(笑)。
その後も繰り返し殴った相手に「お前が喧嘩の原因を作ったんだから、お前が悪いんだ。」と私は言うので、加害者の大男は「お巡りさん、この人怖い。」と泣きが入りました。当時は体育の先生ですかと言われる位私もガタイが良かったので迫力があったのでしょう(笑)。あまりに加害者を攻め立てるので警官は「お父さんは話をまとめに来たんですか、壊しに来たんですか?」と私に聞きます。
「まとめる気はあるけど、原因をはっきりさせておかないとまとめようがないでしょう。」と言ってると、警官が「他で事件があったのでこれで失礼しますといなくなりました。警官がいたから兄貴分がいても強気でいたのですが、、、、、、(笑)。
まあ言うべきことは言ったしそろそろ手打ちと思い、トーンを変えて甘い声で「まあそうは言っても、あんたも痛い目にあったのは確かだから3万円で手を打たないか。」と持ち掛けます。別に5万円でも良いのですが、3万円でまとまればそれに越した事は無いと考えるセコイ私です。
兄貴分と相談して「それで結構です。」と話が付いた後、兄貴分が私にくだらない説教を言い始めますが、この場合は黙って聞いて同意した方が兄貴分のメンツが立って良い結果になります。やろうと思えば1円も払わないでもその場は治まりますが、後日後ろから子供がバットで殴られても困るので3万円でも払えば「俺が出て行ったから金が取れた」と兄貴分のメンツが立ち後を引かないで決着できる訳です。
3万円払った後手帳に示談書を取り付けて完全にこちらのペースで決着しましたが、これをひたすら謝っていたら「治療費だ、休業損害だ、後遺症が出た」等といくら取られたか分かったものではありません。
まあ喧嘩を売った相手が悪かったという事で、自業自得と言うものです。