今日、私はひとりの女性と会っていた。とある業界ではいろいろと名の知られた女性だった。彼女がいるのは特殊で狭い業界であるのと、深く書くと彼女のクライアントにも迷惑がかかるので詳細は書けないのだが、実に興味深い女性だった。
時間通りに彼女に会えた。やってきた女性は顔半分が隠れるほどの大きなピンクのマスクをしていたのだが、それをゆっくりと外すと小顔のとても端正で優しそうな表情が現れた。
大きな目が印象的で一度見たら忘れられない。上品な雰囲気で、清潔感があって、知的で真面目な感じがして好感が持てた。この女性が「普通ではない」というのは、言われてみなければ誰も気づかないだろう。
暑いですね、と他愛のない話をしながら、彼女と共に飲み物を飲んでいたのだが、私が本題を切り出すと、彼女はそれを待っていたかのようにうなずいた。
「私、写真を持っています」
彼女は自分のスマートフォンを取り出して私に次々と写真を見せてくれた。最初に見せてくれた彼女の写真を何気なく見て、私は「えっ」と絶句した。私も今までいろいろな写真を見てきたはずだが、これは度肝を抜かれた。
私が最初に見た写真……。それは顔面があたかも重度の火傷で真っ赤に染まってケロイドで皮膚が焼け落ちてドロドロになったような異様なものだったのだ。比喩ではなく、私は本当にそう思った。しかも、口の中までただれて真っ赤だった。
「これは……」
「これ、私なんですよ」
彼女はそう言って、私の反応を確かめた。最初から、私は驚くしかなかった。噂に聞いていたが、それ以上だった……。