彼女が見せてくれる写真、そして彼女の話。それは私にとってはまったく未知のものであり、このような世界に生きる女性が目の前にいるということ自体が私には信じがたいものであった。
何しろ、自分の身体を男がボロボロに痛めつけるのを、「プレイ」だとしてもそれを許容するのである。いったい、どれだけの女性が、身動きできないほど縛られたり、叩かれたり、針を突き刺されたりするのを許容できるというのか。
いくら金をもらえるからと言って、乳首や性器に針を刺されて貫通するのを「プレイ」だと割り切って進んで行う女性は数が限られているはずだ。「金のためなら何でもする」というどん底《ボトム》のセックスワーカーですらも、しないだろう。
しかし、「M女」はそれをするのである。
私の目の前にいる女性は、それを専門にして生きており、その世界で長いキャリアを持っている。
「本当に信じられない世界だね」
私がそう言うと、彼女は「そうですか?」と笑うのだった。彼女にとってはそれが日常なので、そんなことでいちいち驚いている私は、まるで何も知らないウブな少年みたいな感じなのかもしれない。