◆ダークウェブの違法ドラッグ市場「Archetyp」と「Mupparna.net」の崩壊劇

欧州のドラッグ市場を長年支配していたダークウェブサイトは「Archetyp」と「Mupparna.net」だった。これらはTorネットワーク上で運営され、通常の検索エンジンでは閲覧できない匿名市場だった。

ユーザーは暗号資産を使ってドラッグを購入し、世界各地の売人が郵送で配送する仕組みになっていた。つまりドラッグの取引はストリートではなく、完全にオンラインに移行していた。

この市場は規模が極めて大きい。欧州の捜査機関による調査では「Archetyp」は60万人以上のユーザーを抱え、1万7000以上のドラッグの出品が存在していた。取引額は累計2億5000万ユーロ、現在の為替で約400億円規模に達している。

ここではコカイン、MDMA、ヘロイン、メタンフェタミンなどの違法薬物が日常的に売買されていた。さらに近年問題になっているフェンタニルなどの強力な合成麻薬も売っていた。

これらの闇サイトは、一般のECサイトとほとんど同じ仕組みを採用していた。

購入者は出品者の評価を確認し、レビューを読み、もっとも信頼できる売人を選んで購入する。

売人は配送スピードや商品の品質で評価され、評価が高い売人ほど売上が伸びる。つまり犯罪市場でありながら、AmazonやeBayと同じ競争原理が働いていた。匿名の通信と売買に使う暗号資産がそれを成立させた。

欧州のオンライン・ドラッグ取引の80%以上がこれらのサイトを経由していたというのだから、そのスケールは私たちの想像を超えている。

欧州警察機関は長年この市場を追跡し、関連するドラッグを1トン以上押収してきた。ダークウェブ上のサイトは短期間で消えることが多いが、「Archetyp」は5年以上運営され続けた。これは非常に長い。

だが、ついにこの闇サイトの運営者たちは逮捕されてサイトはクローズした。運営者はスウェーデン人だったが、住んでいたのはタイの首都バンコクの高級ヴィラだった。

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