日本の国力が低下し、もう経済的に浮上できないほど悪化したらどうなるのか、他の国をよく見てシミュレーションしておいた方がいい。ショックを受けないために……。
国家が弱体化し、県や市が財政破綻し、行政が機能しなくなると、警察も予算不足になっていく。警察が予算不足になって賃金が抑えられたり、下がったり、遅配が出たりすると、警察官が辞めていき残った警察官も士気が落ちる。
警察力が低下していくと、犯罪者が我が物顔でストリートを支配するようになり、暴力が横行し、治安が極度に悪化していく。強盗・レイプ・殺人が方々で起こるが、警察はひとつひとつ対応できなくなってしまう。
国家が弱体化するということは、多くの国民が貧困に落ちるということである。そして、国民が福祉や行政に頼れなくなるということである。貧困は自暴自棄と絶望によって、ひどく荒廃した世界を生み出す。
荒廃した世界に堕とされた人は絶望して向上心を失い、先のことはまったく何も考えず、アルコールとドラッグとセックスにあえて突き進み、自滅していく。
堕ちてしまった彼らは、自分が更生できるチャンスなど皆無であることを知っている。世間からは「負け犬」と罵られ、抜け出すチャンスは奪われている。だから、もう堅実な生活など求めない。
どのみち、将来は絶望しかないのだから、行き当たりばったりの快楽に溺れるしかやることがない。金がなくなれば、男はドラッグを売り女は売春をする。売春する女がドラッグをする。ドラッグをしている女が客にもドラッグを勧める。
どのみち警察の能力が低下してしまっているのだから、ドラッグは野放しになる。そして、どん底《ボトム》の女たちの肉体は凄まじいほど荒廃し、壊れていく。当然、女たちの売春の値段は下がる。しかし、誰も買わない。地獄に堕ちた女の肉体は恐ろしいからだ。