コロナ禍が奪っているのは「人と人の対面のコミュニケーション」である。自粛や、ステイホームや、自宅待機が強制され、さらに職場もオフィスワークなどはどんどんリモートワークに取って変わられているので、人と人が直接向き合うコミュニケーションはどんどん喪失している。
その結果、最も困惑しているのはアクティブなコミュニケーションを好む若者たちの世代である。学校も休校になったりオンラインになったりして、異性と知り合う機会は激減している。
サークル活動も、ライブハウスも、映画館も、カラオケも、人ごみの中のデートも、レストランでの会食も、友達同士の旅行も、何もかも制限されてしまうのである。恋人を作るどころではなくなってしまっている。
20代や30代の社会人も「婚活」に支障をきたしており、コロナ禍によって結婚数も相当下がるのではないかと危惧されている。
そもそも、コロナ禍以前から日本人はすでに性的なバイタリティは危機的な状況になっていたのだ。コロナ禍は、より日本人を草食にしてしまうのではないかと多くの社会学者が懸念を示している。
日本は世界でも類を見ないほど過激なスピードで少子高齢化の進む国であり、このまま人口が減ると、国そのものが崩壊の危機に陥りかねない。
少子高齢化というのは、誰も子供を欲しがっていないということだ。いや、子供以前に誰も結婚しようとしなくなっている。結婚したいという若年層がどんどん減っているのは以前から知られている兆候だ。
「人口動態統計の年間推計」を見ると、婚姻率や婚姻件数は2011年からずっと減りっぱなしだった。2019年は婚姻件数が7年ぶりに「やや増えた」のだが、2020年はコロナ禍で婚姻件数は壮絶なまでに下落するのはすでに分かっている。
初婚年齢もじわじわと上昇している。2018年に厚生労働省が行った人口動態調査の結果では「男性31.1歳」「女性29.4歳」となっている。そして、実はもっと深刻なことがある。30代以上の処女や童貞が珍しくなくなってしまったことだ。
これだけ、性情報が満ち溢れているのに、現実に「相手を見つけてセックスをする」という行為は皮肉なことに減ってしまっている。