今度はタイ政府が動き出している。何の話か。マリファナの話だ。2018年5月11日付けのタイ『ザ・ネイション紙』が報じているのは、次のような内容だ。(Plan for medical marijuana farm in Bangkok unveiled)
『GPO(政府製薬機関)が、医療目的で使用するマリファナを政府が専用の農場(ファーム)を作って分析・改良に当たる計画がある』
タイは何度も何度もドラッグ禍で社会的混乱が起きた国である。古くは中国で蔓延していた阿片がタイにも上陸していたし、1970年代はマリファナがタイ全土を覆い尽くした。
そして1990年代は欧米でエクスタシー、中国では揺頭(ヤオトウ)と呼ばれるドラッグが夜の世界で蔓延し、さらに同時代から2000年代にかけてヤーバー(錠剤型の覚醒剤)が大きな社会問題を引き起こすことになった。
ヤーバーで気が狂ったバスの運転手が乗客を乗せたまま暴走して事故を起こしたり、錯乱した男が無差別殺人を行ったり、妻の首にナイフを突き立てて籠城したりする事件が、それこそ毎日のように起きていたのが2000年代の初頭だ。(ブラックアジア:タイで、妻の首にナイフを突き立てて6時間も籠城する事件)