イギリス南西部ウェールズ地方の鋼鉄業界で真面目に働いていたジョン・トムスというビジネスマンがいた。
60歳まで問題を起こすこともなく働き、退職したときは数千万円の貯金があった。家族はなかった。結婚して子供もいたのだが離婚して老いて孤独になっていた。
ジョン・トムスは孤独な時間をインターネットを見て過ごしていたが、やがて彼はインターネットの中でひとりのタイ女性と知り合うことになった。
名前はタニャポン・ドーンサクル、パタヤにいて仕事はオープン・バーでの接客をしているという女性だった。
パタヤでオープン・バーの仕事をしていると言えば、彼女が何者なのかジョン・トムスも分かっていた。彼女は売春ビジネスで生きてきた女性だったのだ。
しかし、ジョン・トムスはフェイスブックを通してメッセージのやりとりをしながら会いたいと思うようになった。
ここからジョン・トムスの人生が暗転し、「お前にすべてを与えた。俺はもう何もない!」と死んでいくことになるのだが、このときはまさか自分がそのような結末を迎えるとはまったく想像していなかったに違いない。
自分がそんなことになるとは……。