◆狂言誘拐で逮捕されたイギリス人は歓楽地で生き残るための掟を知らなかった?

◆狂言誘拐で逮捕されたイギリス人は歓楽地で生き残るための掟を知らなかった?

タイ・パタヤでとんでもない48歳のイギリス人の男が逮捕されている。イアン・デイという名のこの男はタイでカネを使い果たしたのだが、それでどうしたのかというと、自国に帰るのではなく自分の両親からカネを引き出そうとした。

とりあえず、自分が誘拐されてカネを要求されているということにして、現地で知り合った友だち3人に「俺が誘拐されたことにしてしてくれ」と頼んだ。

57歳のイギリス人と、50歳のフランス人と、36歳のニュージーランド人がこの話にノリノリで乗って、マスクをかぶってギャングのように振る舞った。

イアン・デイはそれを動画に撮り、両親にFaceTimeとiMessageで連絡し「こんな状態になっているのでカネを送ってくれ」と迫真の演技で訴えた。イアン・デイはケガをしているように見せかけて、この狂言を事実のように演じていた。

これで、両親は急いでカネを送ってくるのだと思ったが、FaceTimeを切ったあと、両親はカネを送るのではなくパニック状態になってイギリス警察に連絡を入れていた。

イギリス警察は、今度はインターポール(国際刑事警察機構)に連絡を入れた。そして、インターポールはタイの国家警察庁・中央捜査局(CIB)に連絡を入れた。そして、イアン・デイが3人組の危険な武装ギャング組織に誘拐されてケガしており、身代金を要求されていると状況を説明したのだった。

タイの中央捜査局はこの通報を受けて、すぐさま犯罪鎮圧課の捜査チームを組織し、専門の狙撃部隊をチームに組み入れた。

この狙撃部隊はタイでエリート狙撃部隊として訓練されている、通称「ハヌマーン・コマンドー」と呼ばれる部隊であった。ギャングがイギリス人を誘拐して身代金を要求しているというのだから、タイ警察も万全の体制で臨んだのである。

そして、現地警察と、警察に詰めていたマスコミと、このエリート部隊「ハヌマーン・コマンドー」が防弾チョッキを着てライフルを持ってイアン・デイの住んでいるホテルに突撃した。

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