つい数日前だが、タイの歓楽街であるパタヤで、ひとりのノルウェー人が寝室で自分の腹を自分で刺して自殺を図ったことが報道されていた。場所はサウスパタヤにあるホテルだった。
この54歳の男フランク・ジェスヴォルドは、腹を刺した後にあまりの激痛に耐えられなくなって、咆哮のような叫び声を上げてのたうち回っていた。
叫び声を聞いたホテルのスタッフがドアを何度も叩いて鍵を開けるように言ったのだが男が応じないのでスペアキーで鍵を開けて中に入ると、腹にナイフが突き刺さった男を発見したのだという。
部屋中が血まみれになっており、ショックを受けたスタッフはすぐに警察と救急車を呼んだ。現場での応急措置の最中も、この男は腹を刺した痛みで激しく叫んでおり、極度の激痛に苦しんでいた。
この男は6ヶ月もおのホテルにひとりで滞在していたのだが、なぜ自殺を図ったのかは定かではない。現在、集中治療室で治療が行われている。警察が室内を捜索すると、乾燥マリファナの小さなパケットが発見されたのだが、自殺を決意した時はもしかしたらマリファナをやっていたのかもしれない。
実は、ファラン(白人)がパタヤやバンコクの歓楽街近くのホテルで自殺や自殺未遂を引き起こすのは、珍しい事件ではないし、コロナ禍前ではそれこそ毎週のように誰かが死んでいるような状態であった。
セックスとドラッグとアルコールの快楽が満ち溢れて「南国のパラダイス」であるはずのタイ歓楽街は、性と共に死もありふれている。
フランク・ジェスヴォルドは腹を刺して自殺を図ったが、腹を刺すのはあまりなく、ほとんどが高所からの飛び降りか、首吊りである。折しもタイのホテルは背の高い外国人には柵が低すぎて飛び降りを決意しやすい。堕ちたファランは売春地帯のホテルから落ちて死ぬのが一般的だ。