
東南アジアのビーチではマリファナもコカインもヘロインも出回っているのだが、40年前のタイの東側の島コ・サムイ(サムイ島)ではマジックマッシュルームも現地で栽培されていて、普通にバンガロー敷設のレストランで「スペシャル・オムレツ」という名前で売っていた。
島の中心部にあるディスコの前の屋台でも、干からびているような傘も茎も真っ黒なマジックマッシュルームがビニール袋に売られていて、自分で料理したい人はそれを買って料理して食べることもできた。
島ではヘロインが白人《ファラン》のあいだで流行っていたが、当時は今で言うところのスピリチュアル系の白人も多くて、彼らはケミカル系のドラッグはいっさい手を付けず、ハーブ系のみを嗜んでいた。
私がそこで知り合ったフランス人の女性はヘロインにどっぷり溺れて見るからにジャンキーな風情になっていて、私もしきりにヘロインを勧められたが、ケミカルをやったら戻ってこられなくなると思って、ハーブ系のみで抑えていた。
もっぱら私が好きだったのはマリファナだった。朝起きて、バンガローの入口の横に置いたイスに座り、どこまでも青い海を見つめながらマリファナを吸って、瞑想している隣のスキンヘッドの女性を眺めてトリップしていたものだった。
マジックマッシュルームは、最初は遠慮していた。マジックマッシュルームそのものに抵抗があったのではなくて、私は大の野菜嫌いなので「マジックマッシュルーム=野菜」みたいなイメージがあって、わざわざ野菜を食べたくなかったのだ。
ジャンクフードしか食べたくなかった私は、必然的にマジックマッシュルームを避ける形となった。
ところが、である。
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