アメリカの西海岸にある大都市のひとつロサンゼルスでは映画産業・テレビ産業の中心地となっているのだが、ここには多くのセックスワーカーがいることで知られている。その事情についてはブラックアジアでも以前に触れた。(シェリー・ラベン。元ポルノ女優が憂慮するポルノの暴走)
この街は物価も高く、ビバリーヒルズを中心とした超富裕層の世界ばかりが喧伝されている。しかし、その陰で貧困層も大量にいる街であり、失業者、低所得就労者、シングルマザー世帯、多人数世帯、密入国世帯、移民、ホームレス、ドラッグ依存者が渦巻いている。
こうした貧困層の世界は「アメリカの暗部」とも言えるのだが、この暗部の中のどん底にいるのがセックスワーカーである。こうしたセックスワーカーの人生に関心を持つ人は少ない。
彼女たちは、アメリカでは「負け犬」として認識されているからである。
究極の自己責任国家であるアメリカでは、負け犬の生き様など「知るに値しない」ものである。彼らが殺されようが、ドラッグで倒れていようが、死んでしまおうが、とくに真剣に扱われるわけではない。
成功者については、どうでもいい一挙一動も報道されるのだが、負け犬はどんなに理不尽な扱いを受けていても無視される。行方不明になっても、殺されて街で転がっていても、翌日には忘れられる。
そんな境遇にある若いセックスワーカーのひとりが、どのような人生を送ってきたのか語っているので、ここに紹介したい。