◆インドの売春地帯ソナガチの現在の光景。いまだに売春地帯は売春地帯のままだ

インドの売春地帯ソナガチは今も健在のようだ。いくつかの動画がSNSに上がっていて、懐かしく見た。だが、私がいた2005年頃のソナガチは、今よりもはるかに荒々しく、生々しく、猥雑で、混沌としていたように思える。

当時のインドの状況は『ブラックアジア売春地帯をさまよい歩いた日々インド・バングラ編』で微細に書いている。

コルカタの北部に広がるこの区域は、夕方になると一気に雰囲気が悪化し、狭い路地の両側に女性たちが並ぶ。今は1万人前後のセックスワーカーがいるとされるが、当時は今の2倍はいたはずだ。

建物は古びて壁は煤で黒ずみ、路地はゴミと水たまりでぬかるんでいた。私はそのピリピリするほどの危険な雰囲気にしびれた。あの頃、インドの売春地帯をうろつく日本人は私くらいしかいなかったと思う。

今も、日本人はほとんどいない売春地帯のはずだ。

ソナガチは昼間は普通のストリートに見えるが、日が落ちると一気に雰囲気が変わる。女性たちはドアの前に座ったり、窓から身を乗り出したりして客を呼ぶ。ピンプが周囲をうろつき、外国人や金持ちのインド人は一発で狙われる。

治安は今より悪く、ケンカや強引な引き込みが日常茶飯事だった。私も羽交い締めにされたこともある。

ソナガチ最大の人権団体であるDMSC(ドゥルバー・マヒラ・サマンワヤ・コミッティ)の活動はすでに始まっていたらしいが、私はその存在すら知らなかった。HIV対策のためのコンドーム配布は進んでいたものの、路上での使用率は低く、病気のリスクは非常に高かった。当時は2人に1人はHIVに陽性とも言われていたものだ。

客のほとんどは地元の労働者やトラック運転手で、外国人や観光客はほとんどいなかった。夜のソナガチは、ただの売春地帯ではなく、欲望と貧困が渦巻く別の世界だった。

私もここを訪れるたびに「無事に戻ってこられるだろうか」と覚悟したものだった。

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