今になって人類はサステナビリティとか言っているのだが、もう手遅れなのでは?

今になって人類はサステナビリティとか言っているのだが、もう手遅れなのでは?

気象学者もこれらの激甚化する一方の自然環境の悪化を止める術《すべ》を持っていない。だからこそ、全人類が「SDGs(持続可能な開発目標)」を意識して自然破壊を抑制しようとしているのだが、果たして効果があるのか疑問だ。人類が意識を変えたくらいで止められるのか……。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

「このままでは文明が維持できないのではないか?」

最近、「SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉や「サステナビリティ(持続可能性)」という言葉をよく聞くようになった。自然環境がどんどん破壊されていく中で、人類は「このままでは文明が維持できないのではないか?」と薄々感じるようになってきたのである。

実際、自然環境の猛威は年々厳しくなってきており、世界各国で災害による甚大な被害が続出している。大地震、台風、ハリケーン、ゲリラ豪雨、地滑り、豪雪、ブリザード、蝗害、大砂塵、森林大火災……。

ここ最近は中国に激しい豪雨が降り注いで、世界最大の三峡ダムが「もう決壊するのではないか」という噂も年中飛び交うようになってきている。

三峡ダムの下流の町は、ダムの放水によって大洪水に見舞われたりしているわけで、三峡ダムはもう水害を防ぐ役にも立っていない。

中国共産党は壊滅的な自然災害によって崩壊するシナリオもあるとも言われているが、大洪水による水害が中国各地でしばしば起こるような現象を見ていると、それも納得できる。

もっとも、自然災害の甚大な被害は中国だけではなく、世界中を襲いかかっているし、日本も毎年のように強烈なゲリラ豪雨で大被害に遭っているのだからまったく他人事ではない。

日本は20年以内に南海トラフ大地震がきて東京・名古屋・大阪の大都市圏も莫大な被害を受ける可能性も高く、そうなったら日本経済は一段と沈没して「経済大国」としての日本はそれで終焉を迎えても不思議ではない。

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もうずっと以前から地球の環境は激変している

現在、世界規模で「今まで見たことがない」というレベルの災害がずっと続いている。明らかに自然環境は苛烈になってきている。もうずっと以前から地球の環境は激変しているのだ。

何かおかしいと誰もが思う。しかし、こういった異常気象は一国に集中して起きるのではなく、世界規模で散発して起こるので現場ではない人間は忘れてしまう。

たとえば、ハイチの2度目の巨大地震は2021年8月14日だったが、もうハイチ人以外は誰も覚えていない。(ブラックアジア:【巨大地震】2021年8月14日、再び巨大地震に見舞われて地獄に堕ちたハイチの惨状

そうであったとしても、もはやこの異常気象の災害が「おかしい」ですまないほどに頻発しているので、人々は漠然と「いつかやられる」と感じるようになり、迫り来る災害を意識することが増えた。

さらに、野生動物が大量に死んだり、逆に大量発生したり、集団移動したりする奇怪な現象も世界各国で見られている。たとえば、ボツワナでは象が謎の大量死をしているし、アメリカでは鳥が謎の大量死をしている。

これらはすべて異常気象と何らかの相関性がある。自然の環境変化は災害を引き起こすだけでなく、生物の大量死をも引き起こす。異常気象が加速しているのはとても危険なことである。

気象学者もこれらの激甚化する一方の自然環境の悪化を止める術《すべ》を持っていない。だからこそ、全人類が「SDGs(持続可能な開発目標)」を意識して自然破壊を抑制しようとしているのだが、果たして効果があるのか疑問だ。

年々、異常度と凶悪度がエスカレートしていく自然環境を、人類が意識を変えたくらいで止められるのか……。何もしないよりはマシかもしれないが、何かしたとしても効果はないかもしれない。

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タガが外れたような「超巨大」な災害になっている

凶悪化する異常気象がまだ続く。しかも、今後はタガが外れたような「超巨大」な災害となってそれが現れていく。

・異常気象がずっと続いている。
・それは、まだ止まっていない。
・統計では1ヶ月に2〜5個の大災害がみられる。
・災害規模はすべてエスカレートする傾向にある。

現在、これだけはっきりとしたシグナルとトレンドがある。トレンドフォロー(傾向に従うこと)で考えると、想像を絶するような災害がやってきて、各国に被害をもたらすことは十分に考えられることである。

災厄の規模がどんどん大きくなっていくのだから、今まで想像もしなかったような、あるいは聞いたこともないような大災害が起きる確率もある。

日本は阪神淡路大震災や東日本大震災の傷痕がいまだ癒えていないが、南海トラフ大地震以外にも、同じくらいのスケールの災害が先に来たら目も当てられないではないか。

地球が温暖化していくと、海から大量の水分が吸い上げられてそれが豪雨となって地上に降り注ぐ。全世界で洪水が起きているのはそういうことだ。日本でも地形が保てないほどのゲリラ豪雨がこれからも襲いかかる。

だからこそ、国土の強靱化を進めなければならないのに、日本は多くの山々にメガソーラーを立てて、逆にどんどん自然環境を悪化させているという有様だ。金のことしか考えていない太陽光発電の経営者は、日本を滅ぼすかもしれない。

巨大災害がきて、壊滅的な被害が出ないと分からないのかもしれない。金にあこぎな人間が金儲けに邁進し、自然災害を人災にして、いつも最後にまわりを道連れにしながら地獄に落ちていく。

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空も、海も、森も、土も、山も、川も、すべて汚染

コロナは中国共産党が引き起こした人災だが、こうしたパンデミックは今後も起こり得るというのが科学者の見解だ。自然災害に、環境破壊に、危険な伝染病の蔓延。世界規模で人類は災厄に見舞われる。

そう考えると、今までずっと続いてきた人間の爆発的な人口増加も、そろそろ限界にきているのかもしれない。

人口が増えると人間はどうしても森を破壊していく。それは、すでに数千年前の文明が生まれたときから見られる傾向で、ギリシャ文明も、エジプト文明も、インダス文明も、すべて自然破壊によって自壊していった。

人が森を破壊するのは、木を道具として利用したり、材料として使ったり、燃やすことによってエネルギーを得るためだ。だからジャングルはどんどん破壊される。材木は高く売れるし、伐採すると土地が有効利用できる。

現代人はジャングルを破壊しているが、それだけではなく地球上にあるすべてを破壊し尽くしている。空も、海も、森も、土も、山も、川も、人類の手で汚されていないものはない。

年々ひどくなる自然災害が、人間の自然破壊がもたらした可能性もゼロではない。

もしそうならば、自然破壊を止めればいい。しかし、資本主義社会ではそれは絶対にない。なぜなら、現代文明は自然破壊をすることによって資源を得て、資源が資本主義に組み込まれて成り立っているからである。

それならば、もう行きつくところまで行くしかない。人類は「文明の終わり」など遠い未来の話だから関係がないと思ってきた。

しかし、最近の凶悪化する自然災害を考えると、案外それが先の話ではないというのが、今の状況ではないだろうか。

今になって人類は「SDGs(持続可能な開発目標)」だとか「サステナビリティ(持続可能性)」だとか言い出しているが、近い将来に世界に致命的なことが起きるのではないだろうか。

カリマンタン島のデズリー
ブラックアジア的小説『カリマンタン島のデズリー: 売春と愛と疑心暗鬼(鈴木 傾城)』

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