2015年3月2日、タイ・パタヤでひとりの日本人が逮捕されている。長田慎一、33歳。この男は、詐欺師だった。
日本人の高齢者に、実態のない会社の「債券」の購入を持ちかけて、大阪府に住むひとりの高齢女性から8500万円を騙し取っていたという。
しかし、この男は単なる「捨て駒」で詐欺の本元は暴力団だった。この「債券購入詐欺」で暴力団グループは約15億円以上も稼いでいたと言われており、関わっていた人間はタイで逮捕された長田慎一を含め、25人にものぼると言われている。
警察はすでに暴力団グループを組長・幹部含めて25名を逮捕しているが、暴力団が総力をかけて狙っているのが、資産を持った高齢者であることが分かる。
長田慎一は、この詐欺では高齢者に電話をかけて言葉巧みに騙す役割を担っていた。重要な役割ではあるが、一番逮捕される危険が高い「損な役回り」である。
長田慎一が暴力団ではなく、かつ「損な役回り」を押しつけられていたとすれば、恐らく何らかの弱みがあって暴力団につけ込まれていたのだろう。