コロンビアと言えば、ドラッグ・カルテルと反政府ゲリラを思い出す人が多い。なぜコロンビアでドラッグ・カルテルが増殖し一時期は政府をも支配するほどの力を得たのかというと、このコロンビアこそがコカの産地だからだ。
コロンビアのドラッグ・カルテルは1995年に壊滅状態になったのだが、コカは相変わらず生産され続けていた。カルテルの崩壊以後、そのコカを代わりに扱うようになったのが反政府ゲリラ組織FARC(コロンビア革命軍)だった。
コロンビア政府と反政府ゲリラ組織FARC(コロンビア革命軍)は長年に渡る内戦を繰り広げてきたのだが、FARCを支えたのがドラッグ・マネーだった。FARCが南米最大の武装組織だった理由がここにある。
すべてはドラッグが支えていた。
コロンビアが生産するコカインの消費国はアメリカだ。アメリカは自国に流入が止まらないドラッグに業を煮やしてコロンビア政府にドラッグ排除の支援を行ってきたが、それにも関わらず今もコカイン最大の生産国はコロンビアである。
地方の貧困層の農家たちはコカを作るしか生きていけず、都市スラムの住民たちもドラッグに関わるしか生きていけない。そのため、コロンビアではコカインだけでなく、ヘロインもメス(覚醒剤)もほぼ「野放し」である。