私は今のクリアな画質の写真よりも、どこか懐かしい感じのするぼんやりとした雰囲気の写真が好きで、そうした写真で女性が映っていると、うっとりとして見てしまう傾向がある。
最近、ペトラ・コリンズという写真家を知ったのだが、写真だけでなく、彼女の背景などを知りつつ写真を見たりしている。彼女の写真スタイルは、柔らかな光、淡い色彩、ノスタルジックな雰囲気を特徴としている。
デジタル技術を避け、35mmフィルムを使用することで、独特の質感を生み出しているということだが、そういうのが気に入っている。女性が柔らかく映る。
ペトラ・コリンズは、カナダ出身のアーティストで、写真家、ファッションモデル、女優として知られている多彩な女性だ。1992年12月21日にトロントで生まれ、2010年代初頭に注目を集めた。
彼女の作品はフェミニンで夢幻的な美的感覚を特徴とし、特に「女性の視線(female gaze)」を強く打ち出した表現が評価されている。
ペトラの幼少期は安定したものではなかったようだ。母親はハンガリーからの難民であり、双極性障害を抱えていた。父親は元刑事弁護士であったが、のちにストッキング店を経営しながら病気と経済的困難に直面しつつ暮らしていた。
彼女自身もディスレクシア(読字障害)を持ち、小学校では読み書きや数学の授業から除外されることもあった。このような環境が、彼女を視覚芸術に向かわせる契機となった。
高校はトロントのローズデール・ハイツ芸術学校に通い、オンタリオ美術デザイン大学で学んだが、2年で中退している。15歳から写真を撮りはじめ、リチャード・カーンのアシスタントを務めた経験が初期キャリアに影響を与えたという。
2010年代のビジュアルカルチャーにおいて「新しい女性の視線(new female gaze)」を牽引する存在となり、Vogue、i-D、Dazed & Confusedなどの雑誌に作品を発表した。また、Gucciの広告キャンペーンを手掛け、ブランドのビジュアル戦略に深く関与している。
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