2024年12月8日、シリアの独裁者バシャール・アル・アサド長期独裁政権が、音を立てて瓦解した。(ブラックアジア:アサド政権崩壊。しかし、これから平和になるのではなく新たな混乱の幕開けか?)
バシャール・アル・アサドと、そのファミリーと、取り巻き連中は、宮殿みたいなところに住んで贅沢三昧しながら、自国民に対しては何の容赦もなく殺戮し、化学兵器すらも使って共同体を丸ごと殲滅するような残虐さを持ち合わせていた。
この政権が崩壊した今、さらに、この政権の異常さと残虐さと非人道性があきらかになってきている。特に、拘禁施設の中でおこなわれた非人道的な行為は、想像を絶する残虐さであった。
首都ダマスカスにあるサイドナヤ刑務所は「絶滅収容所」として知られ、ここでの日常は凄惨としかいいようがない。この施設では、拷問の痕跡がくっきりと刻まれた遺体が次々と発見されている。
「中世でさえ、こんな拷問は行わなかった」と施設職員が証言するほどなので、いかに残虐であったか、それだけでも想像できるはずだ。
政権が崩壊してこの刑務所が解放されたとき、そこに残されていた遺体には、無数の殴打痕や火傷の跡があり、爪が剥がされた手指、目がえぐられた遺体もあった。あるいは、針やネジを体の各部に突き刺されていた。
死んでから、そうされたのではない。生きたまま、やられていたのだ。
麻酔もなく、拷問で自分の目がえぐり取られることを想像してほしい。シリアのサイドナヤ刑務所ではそれが「普通に」おこなわれていたのだ。皮膚を焼いたあとに剥がすという行為もあった。
さらに、収容者たちは失禁した自身の小便を飲むことを強要されるなど、徹底的な人格否定が実施されていた。まさに「死んだほうがマシ」な拷問がそこにあり、1万3,000人以上がこの刑務所で処刑されていた。
その多くが、政治犯や反政府活動家、あるいはアサド政権によって「敵」とみなされた者であった。逆らう者は精神的にも肉体的にもグチャグチャに破壊してやるというアサドの意志がここにある。
他にもあらゆる拷問が展開されていたのだが、具体的にどういうものだったのか、書き記してみたい。