私自身はウクライナには行ったことはないのだが、ウクライナ人と言えば思い出す女性も何人かいる。私は東南アジアのタイでロシアを含む旧ソ連系の女性とも出会ったことがあり、彼女たちをまったく知らないわけではない。
彼女たちの話については、『ブラックアジア外伝1』でも取り上げている。(Amazon:ブラックアジア外伝1 売春地帯をさまよい歩いた日々)
2022年2月。そのウクライナが激動の最中《さなか》にある。
ロシアと欧米がウクライナ問題を巡って緊迫しており、プーチンの出方次第では戦争が起こるかもしれない。そして、ウクライナ情勢が原油価格・資源価格に関わってくるので世界中の投資家もまたここに注視している。
ウクライナは東にロシア、西にユーロ圏があって、歴史的に両方の地区からの綱引きにある国だ。つまり、常に大国に翻弄される立場にある。また、時代によって、ロシアに付くのがいいのか、ヨーロッパに付くのがいいのかで、この国は常に揺れ動く。
ウクライナは1991年にソビエト社会主義連邦が崩壊したことによって独立した。以後、ウクライナ国内では親露派と親欧米派がくっきりと分かれ、ロシア語を話す東部では当然のことならが親露派、ウクライナ語を話す西部では親欧米派となっている。
これほどくっきり分かれるのであれば、国は二つに分裂してしまえばいいのだが、そう簡単にはいかない事情があった。それは東部は地下資源が豊かで、西部は貧しいということだ。分裂して二つになってしまうと、ウクライナ語を話す西部側の住民は、たちまち経済的に窮してしまう。
だから国が割れ、ロシアと欧米の狭間にあって揺れ動く。そういう国なのである。