ルワンダでは1990年から部族対立が非常に先鋭化し、1994年にはジェノサイド(国民大虐殺)が吹き荒れた。
わずか4ヶ月ほどの間にルワンダ国民の50万人から100万人が殺されたのだから、これは尋常な数ではない。
1990年からフツ族とツチ族の憎悪はラジオのヘイトスピーチ(人種差別扇動)で深まっていくようになり、ある日、ダムが決壊するようにフツ族による虐殺が開始された。
ここで重要なことがある。ルワンダの国内では確かにフツ族とツチ族が憎しみ合う場面があった。
しかし、この両者はずっと混じり合って生きていたし、その多くはどちらかに友人を持ち、同僚を持ち、恋人を持っていた。
しかし、やがて両者の関係はどんどん険悪になっていき、最後に人類史上でも稀に見る大虐殺となっていった。
この大虐殺を生み出した要因として、ラジオが常にヘイトスピーチを流していたことにもあると言われている。