宝くじが当たって、使いたい放題の浪費をして、あっという間に貧困層に逆戻りするような話を聞く。映画『To Leslie トゥ・レスリー』でも、そうした女性が描かれて話題になった。(ブラックアジア:映画『To Leslie トゥ・レスリー』深刻なアルコール依存の女性を描いた物語)
親の遺産が入って気が大きくなり、高級マンションに住んで贅沢三昧したり、高級車を買って乗り回したり、酒と女に溺れて身を持ち崩したり、妙な投資話に乗ったり、ギャンブルにのめり込んで遺産を食いつぶすような話も聞く。
自分の器以上の大きな金が、たいした苦労もせずに手に入った状態になると、それまでの質素な生活や価値観が一気に変わってしまう人が大勢いる。
金銭感覚が乏しい人は、急に大金を手にすると、無計画に使ってしまうことが多い。節約や自制といった考えかたが身についていないため、浪費に走りやすくなりやすい。そのため、貧困層で無学な人のほうが大金で自滅する確率が高い。
それは、ある意味「しかたがない」ことであるといえる。金融リテラシーの教育を受けていなかったからだ。
では、きちんとした金融リテラシーを受けた人は「濡れ手に粟」の大金が転がり込んできたときに破綻しないのかというと、そうとも限らないのが世の中だ。理性と本能は別物だ。
理性で本能を抑えられない人は、金融リテラシーがあったところでたいして役に立たないかもしれない。「パーキンソンの法則」のワナに落ちてしまう可能性があるからだ。それは、どういう法則か?