日本の物価は2022年3月から急激に上がっていき、これまで1%台だった消費者物価指数は4月になるといきなり2%に到達し、以後も止まらず上昇を続けて、2022年12月にはとうとう4%に到達する騒ぎとなっている。
その背景には、ロシア・ウクライナ戦争によるエネルギー価格の高騰、止まらない円安、コロナ禍による供給制約や物流混乱、日本国内の人手不足による人件費の上昇、企業の便乗値上げ、政府の緊縮財政などのいくつもの理由が存在していた。
その結果、名目賃金が上がって日経平均株価も押し上げられているのだが、「物価上昇は今後も続く可能性が高い」というのが専門家の見立てである。ただ、いつまで続くのか、どこで収束するのかは不確実だ。
アメリカにしても、インフレはまだ収まったとは言い難い。これから、予測が外れて状況が二転三転するすることもあるだろう。
しかし、資本主義である限り、モノの値段はいずれは上がっていくのは間違いない。今まで20年も30年もデフレの環境で生きてきた日本人は、「モノの値段が上がっていく」というのは、あまり実感がないかもしれないが、それは起こるべくして起こるものなのである。
とすれば、アンダーグラウンドの世界にもそれが波及するのは間違いない。今はまだ目立つ動きはないようだが、売春や風俗の料金もいずれは上昇していくことになる。それは時間の問題だと私は見ている。
そのようなことを考えていると、ふと戦後の日本の売春・風俗に生きていた女性たちは、どれくらいの価格でビジネスをしていたのか気になったので調べてみた。
戦後の混乱期をくぐり抜けて、遊郭から赤線地帯と変貌して売春と風俗が渾然一体となって定着するようになっていた頃の値段の記録があったので、ここから彼女たちの「サービス料」がいくらだったのか見てみたい。