正月早々、インフルエンザの洗礼。これからは「注意深く生きる」しかなくなった

正月早々、インフルエンザの洗礼。これからは「注意深く生きる」しかなくなった

2024年の日本は1月1日から波乱の幕開けだった。能登半島地震に羽田の飛行機事故。この大変な最中、なぜか私の体調までおかしくなってしまった。インフルエンザにかかった。今も本調子ではない。しかし、本当にどうなるのかは「一寸先は闇」と言ったところだろうか。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。著書は『ボトム・オブ・ジャパン』など多数。政治・経済分野を取りあげたブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営、2019、2020、2022年、マネーボイス賞1位。 連絡先 : bllackz@gmail.com

正月早々、インフルエンザの洗礼

2024年の日本は1月1日から波乱の幕開けだった。能登半島を震度7の地震が襲いかかり、現在のところ、死者84名、安否不明者は179人となる被害となっている。

輪島市は焼けただれ、土砂崩れに見舞われ、珠洲市は津波でやられ、石川県の至るところで地割れと液状化で道路が寸断し、今もあちこちが孤立地区となって救援を待っている。

こうした中、翌日には海保機と航空機が衝突して炎上し、すんでのところで乗客379名が焼け死ぬ寸前にまでいってしまった。海保機は5名が即死、機長が重症となっている。このニュースも欧米で大きく報道されている。

この大変な最中、なぜか私の体調までおかしくなってしまった。

1月2日から急に発熱し、ひどい咳・鼻水、関節痛、倦怠感が襲ってきた。それと、激しい頭痛が延々と続いた。一日、食事も取らないで寝ていたが、3日になってもまだ治らず「これは普通の風邪ではないな」と感じた。

コロナかインフルエンザかのどちらかのはずだったが、息切れはなく、寒気もなく、味覚・嗅覚障害もなく、それでいて頭痛と倦怠感は非常に強かったので、恐らくインフルエンザなのだと推測した。

とくにひどかったのは頭痛だ。風邪の症状くらいなら咳をしながらいくらでも文章を書けるのだが、頭痛の症状があったらお手上げだ。これを書いている少し前までも頭痛がしたのだが、今になってやっと頭痛が薄くなってきてクリアになってきた。

まさか正月早々、ダウンするとは夢にも思わなかった。

このひとつ前の記事に「予測不能な出来事がいつでもやっってくるので予測してもしかたがない」という記事を書いたのだが、まさか正月早々、自分がインフルエンザで寝込むとは自分でも思っていなかった。

日本もしょっぱなからひどい災厄に見舞われているが、本当にどうなるのかは「一寸先は闇」と言ったところだろうか。

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これからは少し注意深く生きるしかない

今は頭痛が消えたくらいで、咳や倦怠感や関節痛は残ったままなのだが、完治するにはあと数日から十日くらいはかかるのかもしれない。

去年は歌舞伎町で倒れて救急車で運ばれるという 失態 もあったのだが、ここのところ身体が壮健だとはなかなか言えなくなってきつつあるように思える。

今回のインフルエンザも、体力があれば2日ほどで封じ込められたように思うが、今はそういうわけにもいかないようだ。怪我をしても治りが遅い。寒くなれば右足を複雑骨折したときの痛みもぶり返す。

これからは少し注意深く生きるしかないことが思いやられる。

私の個人的な体験もそうなのだが、「注意深く生きる」と言えば今後はすべての日本人が意識せざるを得ないものになるのかもしれない。

日本は政治が極度に信用ならないものになっているし、今後も激しい天災などに繰り返し襲われるのは確実である。

貧困格差が広がっていることから自暴自棄やルサンチマン(復讐感情)を抱えた人間が犯罪に走ることもある。また、日本でも隠れ移民政策が着々と進んでいることから、多文化衝突も増えていく。

これまで日本人は「水と安全はタダ」と考えていたが、もう水も有料だし、安全もタダではなくなってきつつある。

秋葉原で女性が電車内で包丁を振り回して乗客を切りつけるような事件も起きているのだが、すでに「電車で刃物を振り回す」というのは小田急線の切りつけ事件や京王線のジョーカー事件でもお馴染みとなった事件である。

何気なく電車に乗って普通に通勤していても、ある日いきなり隣にいた人間に刺されるような事件はいつでも起こるということだ。

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これこそが日本の没落を決定づける決定的要因に

もっとも確率から言えば、電車で隣の人に刺されるよりも、もっと大きな現象に巻き込まれる可能性のほうが高いはずだ。それは深刻な災害であったり、経済的苦境であったりする。

日本人の誰もが直面する最大の困難は間違いなく地震になるはずだ。

今回の能登半島地震でも、すべての日本人が遠い能登半島の悲劇に注目したのは、同じ日本で起こった災害であるのと同時に「自分たちもいつ巻き込まれるのかわからない」という切実な状況を抱えているからでもある。

日本のどこにいても巨大な地震に巻き込まれる可能性が高い。人口密集地で巨大地震が発生したら、数十万人以上もの死傷者が発生する。

1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災はマグニチュード7.3で、死者は6434人、負傷者は4万3792人、警察に届け出があった行方不明者は3名、被害総額は約10兆円だった。

2011年3月11日に起きた東日本大震災はマグニチュード9だった。死者は1万5893人、重軽傷者は6152人、警察に届出があった行方不明者は2553人、被害総額は約16.9兆円だった。

今後、日本はこの阪神淡路大震災や東日本大震災を超える災害が待ち受けている。それが南海トラフ大地震である。南海トラフ大地震で想定されているマグニチュードは9以上である。

南海トラフ地震帯は、複数の断層が存在しており、同時に複数の地震が発生する可能性があり、これが連動することで地震が連鎖してより多くの被害が出る。場合によっては32万人が死ぬというレベルだ。

関西圏・名古屋圏は壊滅的打撃を受けて、東京も被害を免れない。被災地の経済被害は最大で約169.5兆円である。日本の都市圏が壊滅的ダメージを受けるわけで、これこそが日本の没落を決定づける決定的要因になってしまうはずだ。

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地震さえこなければ平穏であるわけでもない

もっとも、南海トラフ大地震は明日くるかもしれないが、30年後かもしれない。国土交通省は「30年以内の発生確率が70~80%(2020年1月24日時点)」と述べている。

この他にも首都直下地震も30年以内の発生確率は70%程度なので、この30年で日本は無事に終われない可能性があるが、それは引き延ばせるだけ延ばせたとして30年の猶予がある。

しかし、その30年で日本は地震さえこなければ平穏であるわけでもない。

日本はこれまでの30年間、政治の無策や失策の連続でまったく成長できない国になってしまっており、政治が変わらないので今後の30年もさらに経済的縮小を余儀なくされていくだろう。

少子高齢化も止まらない。高齢化が進み、出生率が低下しているが、これからの30年はそれがもっと顕著になっていく。労働力が減少し、社会保障の負担が増加していき、政治家は増税や社会保険料の引き上げしかしなくなる。

そのため、経済的にも日本は生きにくい国になっていくのである。恐らく、政治の無能がこれからもずっと続いて日本の凋落が行くところまでいった後に、とどめに南海トラフ大地震のような災害でとどめを刺されるような感じになるのではないか。

そういう時代に直面しているのが今の私たちなのであれば、「注意深く生きる」のは当然のことであるとも言える。

「日本はこれからも良くなる」みたいな根拠のない楽観論で何も考えないで生きるよりも、「もっと悪い社会になるのでどのように生きるべきか」と現実路線で生きたほうが最終的にはより良い対策が取れる。

私はとっくの昔に「日本はこれからも良くなる」みたいな考え方は捨てている。正月早々、日本はお祝いムードが吹き飛んでしまっているのだが、これは多くの日本人に「正月なんか祝ってる場合ではない」という現実を見せつけた出来事であったようにも思える。

  *  *

今回、能登半島地震でお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災された皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

ちなみに、まだ体調は本調子ではないので来週あたりから本格的にブラックアジアを開始したいと思います。よろしくお願いします。

病み、闇。
病み、闇。: ゾンビになる若者、ジョーカーになる若者

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