統計があるわけでもないし、こうした調査が行われた形跡もないのだが、欧米では性的虐待やレイプされた女性がセックスワーカーになるケースは経験則としてかなり多いことが知られている。
ポルノ女優、ヌードモデルも、インタビューでの告白などを読むと、決まって性的虐待の過去があることが記されている。
父親に性的虐待された、兄弟に性的虐待された、ボーイフレンドに性的虐待された、近所の知り合いに性的虐待された……と相手はさまざまなのだが、まだ幼くて何が起きているのか理解できないまま「悪いこと」をされて、誰にも言えないまま沈黙して過ごす。
そして、思春期になったあたりから一気に「自分は性的に弄ばれていたのだ」と気づいて愕然とする。そして、それが彼女の人生を破壊してしまうほどの大きなトラウマとなって心の真ん中に居座ってしまうのである。
イギリスでエスコートガール(日本で言うところのデリヘル嬢)として長らく働いていたあるセックスワーカーも「そうだった」と告白している。
彼女は4歳のときに10代の女の子に性的ないたずらをされていた。4歳と言えば、まだ性的なことについてはまったくわからない年齢だ。当然、彼女も自分が何をされているのか分からなかった。
ただ、それは「秘密にしなければならない」ということだけはわかっていて、母親には「その女の子と秘密を持っている」とだけ言っていた。しかし、母親はそれが何だったのかまったく気づいておらず、それはひっそりと忘れ去られていった。
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