カンボジア編
カンボジアの首都プノンペンの地図を見ると、この都市が区画整理によって計画的に作られたことがよく分かる。
道はだいたいが碁盤目のようになっている。また、主要な道路は人名か番号表示になっているので分かりやすい。このプノンペン北に「売春ストリート」と呼ばれる通りが存在した。それが、70ストリートである。
1990年代後半、ここは東南アジアの売春地帯でもっとも凄まじい場所だった。一本のでこぼこだらけの道が2キロに渡って東西に伸びているのだが、この両側に建ち並ぶバラックのほとんどすべてが置屋だったのだ。
懐かしき70ストリートのバラック小屋。かつてはもっと薄汚れた廃材でできていた。
夜になるとピンク色の蛍光灯の中で、売春に従事する女たちが道行く男たちに叫び声を上げて誘っていた。うっかり道端を通ろうものなら、数人の女たちが腕を引っ張って置屋の中に引きずり込もうとするのだった。
女たちは爆発的なエネルギーを持ち、誰もが一様に殺気立っていた。後にも先にもこんなに荒廃した置屋街を見たことがない。
女たちを見ながら、餌を待ちわびるツバメのヒナを思い出した。金切り声を上げて男を捕まえようとする女たちの呼び込みは……
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア カンボジア編』にて、全文をお読み下さい)
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