2020年より、コロナ禍で世界中のRLD(Red Light District=売春地帯)が閉鎖や縮小に追いやられているのだが、バンコクやパタヤなどに東南アジア最強のRLDを抱えたタイ王国も例外ではない。
日本ではまだ「感染者が……、マスク着用が……」と面倒臭いことを政府も国民も言っているのだが、欧米ではもう「コロナ感染上等」「後遺症が残ったらその時はその時」という割り切りになっていて、彼らが自粛をやめて東南アジアのRLDに戻ってきているのが今の現状だ。
まだまだコロナ禍で旅行どころではない国々も多いのでタイも本調子ではないのだが、RLDはそれなりに活況が戻って来ているというのは面白いところだ。
このコロナ禍の2年半でタイ政府はますます自分たちの国が観光に依存していることを自覚して、「とにかく観光客が戻って来ないことにはタイに未来はない」という確信を持ったようだ。
アメリカや日本や中国などの国々では「ハイテクや最先端技術が世界を制する」という意識があるので、観光に関しては最優先事項にはなっていない。
しかしタイのような中進国は、どうしてもハイテクや最先端技術で勝負するレベルには至っていないので、もっとも手っ取り早く稼げる分野である「観光」に振り切るしかない状況である。
コロナ禍で観光産業は大きな痛手を負ってしまったのだが、だからこそタイは立て直しのために次々と手を打っている。
パタヤではLGBTのための祭典を大々的にアピールして耳目を集めたり、ミュージックフェアを開いたり、マラソン大会を開いたり、マリンスポーツを充実させたり、とにかく打てる手はすべて打っている。
しかし、何と言ってもRLDパタヤはセックス産業が最大の売りであり、これなくしては他のイベントは意味がない。この主力であるセックス産業に並ぶほどの「売り」が必要だと考えたタイ政府は、ここで一気に強力な「売り」を用意してきた。
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