バングラデシュはイスラム教の国としては珍しく売春地帯を容認している。売春女性は数百年の間、そこで延々と売春ビジネスに勤しんでいる。
しかし、それはバングラデシュの人たちが売春ビジネスを歓迎しているという意味ではない。むしろ、社会全体で見ると売春ビジネスは毛嫌いされている。
バングラデシュでは「売春婦」という職業は表向きないことになっている。彼女たちは、「物乞い」のカテゴリーに入れられている。そして、売春地帯は物乞いの「巣」である。
かつて、バングラデシュのナラヤンゴンジの売春地帯は巨大な売春地帯かつ巨大な売春団地だったが、それは強制的に閉鎖されて消えてしまった。
その売春地帯の閉鎖がいかに人非人的で凄まじいものであったのかは、こちらを読んで欲しい。(巨大売春地帯の崩壊(1)。売春は物乞いと同じカテゴリー)
さらに、「マダーリブル」という売春地帯も閉鎖された。 2012年のことだ。(150年前から続いているバングラデシュの売春地帯が閉鎖の危機)
こうした売春地帯が閉鎖されたため、2012年以降はタンガイルという売春地帯がバングラデシュで最も目立つ大規模な売春地帯となった。(タンガイルのアイシャ(1)。タンガイル売春地帯の道のり)
しかし、目立てばどうなるのかは、過去の売春地帯を見れば分かる。タンガイルはどうなったのか……。