最近、欧米の同性愛者で広がっているサル痘がアジアでもポツリポツリと報告されるようになってきている。
日本でも2名がサル痘に感染したと報道されているのだが、インドでもニューデリーや南部ケーララ州で感染者が確認されている。そのうちのひとるはアラブ首長国連邦に出稼ぎにいっていた時に感染し、インド国内の病院で死亡している。
大量の欧米外国人を受け入れている観光立国のタイでは27歳のナイジェリア人男性がサル痘に罹っていたまま逃げ回ってカンボジアで逮捕されるという事件があった。
そして今度は、タイ人のゲイの男性がベルギー人にサル痘をうつされて治療を受けている。問題のベルギー人はタイからすでに去っていた。しかし、サル痘を発症したタイ人男性は、ベルギー人の後に17人の男性と濃厚接触していた。
濃厚接触と言っても、どの程度の接触だったのかは分からないのだが、今のところ1人をのぞいて陰性となっている。
しかし事態を重く見たタイ政府は、天然痘のワクチンを欧米から取り寄せてサル痘拡大の準備を行い、アフリカや欧米の旅行者数百人に対してサル痘のスクリーニングを受けさせている。
サル痘が広がると観光にダメージを受けるので水際で食い止めるのに必死だ。
今後、サル痘がどれくらいの広がりを見せるのかは未知数なのだが、巨大な歓楽街を抱える観光立国のタイでは日本とはまるで違う危機感が漂っている。タイにはサル痘が爆発的感染する「地雷原」がある。