タイのショッピングモールは内部が吹き抜けになっているので、とても開放感がある。しかし、その作りのせいか、しばしば自殺者が出る。
パタヤのセントラル・フェスティバル・ショッピングモールでも今年の5月に自殺者が出ているのだが、上から人間が落ちてくるのだから、買い物をしていた人たちのショックはかなり大きいだろう。
死んだのはイギリス人の男だった。パタヤでは白人(ファラン)がしばしば自殺するのだが、詳細が報じられなくても大体のところは自殺する理由は誰もが知っている。
金欠だ。
パタヤは売春リゾート地であり、多くの男たちはそれを目当てにパタヤに沈没している。身体を売る女たちは、白人の男たちの本国よりも「安い」のだが、それでも売春地帯に沈没して無計画に女たちと関係しているとカネなどあっと言う間に尽きる。
さらに、パタヤで愛人を作ったら、売春地帯で刹那的に遊んでいる以上にカネが消えていく。
78歳のフィンランド人がパタヤのバーガールを気に入って同棲したのだが、有り金をすべて毟り取られた挙げ句に見捨てられ、精神的にも肉体的にも落ち込んで絶望したあげく、コンドミニアムの10階から飛び降り自殺した事件もあった。
シンガポールから来た男も、ホテルをチェックアウトしなければならないその日に、ホテルの部屋で自殺していた。パタヤの女たちにのめり込んだ挙げ句、好きになった女にすべてを盗まれて絶望したのだった。