これまで私は多くのシングルマザーの風俗嬢と出会っているのだが、彼女たちを取り巻く状況は日本の中でもますます悪化しているように見える。
毎年のように、シングルマザーの女性が自分の子供を虐待死させる凄惨な事件も相次いでいるのだが、もうそろそろ日本は抜本的にシングルマザーの女性の総合的な救済対策を取らなければ、どうしようもない。
シングルマザーは全国で約120万以上の世帯があるのだが、彼女たちの相対的貧困率は全体で50%を超えているのである。ざっくり言うと、約60万人のシングルマザーが貧困に堕ちて苦しんでいる。
これは先進国でも突出したシングルマザー貧困率であると言ってもいい。これが意味するところは、日本のシングルマザーに対する対応は政治的にも行政的にも誤りがあるということに他ならない。
彼女たちはきちんと法的な保護が為されていないのである。そもそも、子供がいるならば父親もいるはずなのだが、日本の法は父親からしっかり養育費を回収する形になっていない。
しかも、困窮した女性が生活保護を受けようと思っても、水際で拒否されたり、申請を通しにくい雰囲気に持っていったりしてあきらめさせたりしている。結果として、本当に生活保護を必要とする人に生活保護が届かない。
実は今、懸念されているのは、シングルマザーが高齢化したときの処遇だ。
貧困化している約60万人のシングルマザーの多くは正社員ではなく非正規雇用で働いているので厚生年金はなく、国民年金だけなのだが、シングルマザーの3分の1は、それも払えない状態にある。
国民保険を未納のままにしておく女性もいれば、「免除・納付猶予」の制度を使って手続きをする女性もいる。しかし、シングルマザーは長らく未納や免除期間が続くので、受給資格に満たない女性も少なくない。