日本が1990年のバブル崩壊を経て、ゆっくりと貧困が忍び寄るにつれて、増えているのが児童虐待である。貧困と児童虐待は相関関係にあって、貧困が増えると児童虐待も増える。
また貧困家庭の子供ほど虐待に遭う確率は高い。
日本が1990年から衰退期に入ったのだから、日本で児童虐待も増えると20年前から私たちは理解していたが、実際に突きつけられた数字を見ると慄然とするものがある。
この22年間で、児童虐待の相談対応件数は約60倍も増えている。1999年頃からそれは無視できないほどの増加になった。その後も一度も落ちることがなく児童虐待の相談対応件数は伸び続けて、いまだに止まっていない。
心理的虐待も、身体的虐待も、育児放棄も、すべてが伸びているのだが、特に目立つのは、心理的虐待だ。
児童虐待には4つの種類があるという。心理的虐待、身体的虐待、育児放棄、性的虐待だ。この中で、目立つ「心理的虐待」というのは、どのような虐待なのか。