2018年の秋から冬にかけて、新宿歌舞伎町では若い女性が次々と飛び降り自殺した時期があった。自殺した女性の遺体の写真も出回っている。(ブラックアジア:空から人が降ってくる街、歌舞伎町。境界線を踏み越えたら助からない)
こうした事件が続出したことによって、ホストクラブは規制がかかるのを恐れて強引な「営業」の自制や、ビル屋上のアクセスの規制を強化したのだが、それでも自殺未遂が今も起きているのは間違いない。
ホストクラブは独特の雰囲気で場を演出し、やってきた女性を盛り上げ、夢中にさせ、どんどんカネを使わせる。無我夢中になって女性にカネを使わせるための基本は何か。それは、水商売や風俗やホストクラブ独特の言葉で「色恋(いろこい)」と呼ばれるものだ。
表社会では「色恋」という言葉は使われないし、使われるとしてもごく一部でしかない。しかし、夜の世界はほとんどこの「色恋」という手練手管で成り立っていると言っても過言ではない。
夜の世界で働く人間は、自分についた客を「他の人はお客様だけど、あなたは恋人」と思わせるために、それらしき演技をする。そして店もまたそうした雰囲気を盛り上げる。これが「色恋」という手口である。
本当は「恋人」どころか、ただの「カモ」にしか過ぎないのだが、そうした色恋にハマるカモはどこにでもいる。ホストクラブに通う女性たちもまた、こうした色恋のターゲットだ。