
2026年1月26日、日本最大の風俗スカウトグループ「ナチュラル」の会長だった男が逮捕されている。鹿児島県・奄美大島での逮捕だったが、西日本などを転々としながら優雅な逃亡生活をしていた。
歌舞伎町を歩いていても、次々と女性に声をかけるスカウトの姿は今でも目立つが、彼らはまさに現代の女衒《ぜげん》とも言える。
彼らは長らく「個人の迷惑行為」として扱われてきた。警察の取締りも、路上での声かけや軽微なトラブルへの対応にとどまり、社会問題として正面から論じられることは少なかった。
しかし、スカウトグループ「ナチュラル」の実態が明らかになるにつれ、表社会の人々も「これはただの迷惑な声かけ男」の話ではないことに気づき始めた。
ナチュラルは単なる集団ではなかった。全国に約1500人規模のメンバーを抱え、年間売上は約45億円に達していた。これはもはや個人の小遣い稼ぎの延長ではなく、明確な分業と指揮系統を持つ組織的活動である。
勧誘、管理、店との交渉、資金回収までが役割分担され、数値で管理されていた事実が捜査で判明している。もはや路上スカウトという言葉では説明がつかない。
警視庁がこの集団を重視した理由は、規模だけではない。活動期間は10年以上に及び、しかも途中で自然消滅することなく拡大を続けていた。警察は2020年頃から本格的な内偵を開始し、暴力団対策課と保安課が連携する異例の体制を組んだ。
通常、単独の違反行為でここまでの長期捜査はおこなわれない。それだけ社会的影響が大きいと判断されたということだ。
さらに異様なのは、ナチュラルが警察の動きを前提に行動していた点である。
独自に開発されたアプリでは、警察官の顔写真や注意情報が共有され、警察は「ウイルス」と呼ばれていた。偶然で対応できる水準ではない。警察内部の動きを把握していなければ成立しない運用だったのだ。



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