バイアグラが世の中に出たのは1998年のことだ。アメリカの巨大製薬企業であるファイザー社が「経口インポテンツ治療薬」として発売をしたのだが、その効果はあまりにも絶大だった。
今までまったく勃起できなかった男でも、セックスの一時間前に飲んでおけば完全に勃起することが可能になったのだ。まさに勃たないことで悩んでいた男たちにとって「待ち望んでいた薬」であり「大きな福音」でもあった。
バイアグラの大ヒットによってファイザーの株価もロケットのように吹き飛んでいったので「バイアグラでファイザーの株価も垂直に勃起した」と株主は沸き立った。
C型肝炎の特効薬「ソバルディ」と「ハーボニー」でギリアド・サイエンシズの株価が吹き飛んだように、製薬会社やバイオ医薬企業は、時々このような「画期的な創薬」を成し遂げて値を吹き飛ばす。
バイアグラは以後、勃起不全に苦しむ男たちには欠かすことのできない常備薬となり、特許が切れてからは類似のジェネリック薬が次々と発売されて、そのどれもが売れている。
そんなに勃起不全の男が多かったのか。いや、連日連夜のセックスをするハイエナたち、いつまでも枯れない初老の男たちが、セックス強化薬としてバイアグラを使うようになっていったのだ。
しかし、問題があった。バイアグラは射精まで面倒をみてくれないのだ。勃起しても射精できない。これはあきらめないといけないのか。表向きは「イエス」だが、アンダーグラウンドの世界は「蛇の道は蛇」だ。