今まで多くの風俗嬢と会ってきたのだが、振り返って見ると記憶に残るのはやはり強烈な「自分」を持ち合わせている女性だった。
私は一度会った女性とは二度と会わないのが基本なのだが、もう一度会ってみたいと不意に思う風俗嬢がふたりいる。
ひとりは肩から背中から太腿まで大きな鯉の絵を入れた風俗嬢で、見かけはごく普通の女性に見えたのだが、服を脱ぐとまったく異質な世界を背負っていた。
東南アジアで見る刺青というのは稚拙なものが多いし、そこから文化を感じるのはタイのサクヤンくらいで、後は思い付きのような、行き当たりばったりのような刺青が多かった。(ブラックアジア:サクヤン(Sak Yant)。タイ伝統の美しく迫力あるタトゥー)
好きになった女性のタトゥーを思い出して懐かしく思うことはあるが、そのタトゥーに感銘を受けたというのはない。背中一面にブッダの巨大なタトゥーを入れている女性には驚いたが、驚いただけで感銘は受けなかった。
しかし、日本で会った背中一面に和彫りの刺青を入れている女性には、私は本当に感銘を受けて「和彫りというのはこんなにすごいのか」と驚嘆したのだった。
彼女はその背負った刺青に誇りを持っており、そのインパクトに私は感動した。