ミャンマーは軍政で国民の半数が貧困に落ち、地震の追い打ちでさらに困窮化し、国際社会からも無視されて、もはやどんなにもがいても貧困地獄から抜け出すことはできなくなっている。
そうなると、多くの女性が国を見捨てて、他国でチャンスをつかみたいと願う。そうした女性たちを手ぐすね引いて待っているのが人身売買業者である。彼らは若くて貧しい女性を売り飛ばしてカネを稼ぎたい。
タイなどでは、ミャンマー女性は格好のターゲットになっている。
タイは長年、周辺国からの移住労働者が集まる一方で、アンダーグラウンドでは女性の人身売買が多発する国である。
2023年時点でタイ国内には約170万人のミャンマー出身の移住労働者がいた。2021年のクーデター以降の混乱でミャンマーからタイへの越境者が増え、彼女たちの搾取リスクがさらに高まっていた。そこに今回の地震だ。彼女たちを取り巻く状況は、より悪化しようとしている。(ブラックアジア:ミャンマーで発生したマグニチュード7.7の大地震とその被害状況)
被害者となるミャンマー人女性の年齢層は幅広く、10代の少女から若い成人女性まで含まれる。未成年者が犠牲になるケースも少なくない。
タイ北部チェンマイのカラオケバーにおける摘発では16歳を含む少女たちが「接待役」として働かされていた。中には、10歳のミャンマー人少女がタイ人に「奴隷」のように酷使されていた衝撃的な事件も報告されていた。
被害者の多くはブローカーの手引きで陸路や水路を使いタイに密入国する。ミャンマーとの国境地帯は密輸・密入国が横行している。「人身売買と越境犯罪の温床」とされる場所もある。それは……
コメントを書く