すでに国際社会から忘れられている存在と化したミャンマーだが国民と政府の反目・対立・衝突・殺し合いは今も相変わらず続いている。そして、こんな未来のない国に絶望して国を離れるミャンマー人も莫大に存在する。
多くのミャンマー人は隣国タイに逃れたいと考える。しかし、タイはミャンマーからの難民が大量にタイに棲みついてタイにミャンマー人居住区ができて最終的に国が乗っ取られるのは望まないので、躍起になってミャンマー人を追い返している。
最近では毎月1万人から1万5000人近くのミャンマー人密入国者がタイで逮捕されているのだが、ミャンマーの軍政が変わらない限り、この状況が今後もずっと続いていくのだろう。何しろ、ミャンマーは国民の48%が絶対貧困と化した地獄の国である。
コロナ禍で消えてしまった欧米人の観光客も今年に入ってから急激に増えていることもあって、歓楽街は再起動《リスタート》している。そのため、RLD(Red Light District=売春地帯)には大量のミャンマー人女性が在籍することになりそうだ。
実は、タイの歓楽街が周辺国の女性が担うという流れは、コロナ禍以前からずっと続いていたことである。
「彼女、ミャンマーから来たのよ」
「彼女、ラオス人なのよ」
RLDに、多くの外国人女性が売春ビジネスをしているようになっていることを私個人が気づくようになったのは、すでに10年以上も前のことである。
ミャンマー女性がカンチャナブリやラノーンの山岳地帯を抜けてタイに入り、最初に地方都市で売春ビジネスに染まってから、プーケットやパタヤに流れて来ているという情報は以前からあった。