インドはいよいよ人口ボーナス期を迎えて、これから高度成長期に入ることが確実視されている国である。私は資産のほんの一部をインドに振り分けて今後の成長を自分の資産でも少し享受したいと思っている(主力は米国株)。
しかし、この経済成長する中で変わりつつあるインドでも、都市部を離れると相変わらず閉鎖的かつ因習的な文化と伝統が人々を縛っており、その中で苦しんでいる人々も多い。
ドイツのメディアがインドの売春カーストの女性を取り上げていたので、ここに紹介してみたいと思う。
彼らが取り上げたのはインドの首都ニューデリーから南に3時間ほど車で走ったラジャスタン州アルワール県にある売春村であった。この村の人々はカースト制度によって先祖代々、売春を強いられてきており、それは現代でも続いていたのだった。
売春を強いられていることでもわかるように、この村の人々のカーストは最下層に属している。そのため、この村は他のカーストからも蔑まれ、差別されている。女性たちの出身地はナッツ、ベディヤ、バンチャラ、カンジャールだった。
伝統的に彼らは遊牧民族であり、インドのあちこちに散らばっている。ただ、多くはマディヤ プラデーシュ州、ラジャスタン州、ハリヤナ州、ウッタール・プラデシュ州にいる。
もともとは彼らは同じ土地に定着せず、旅をしながらパフォーマー、ダンサー、曲芸師、手品師として働いていた。ところが、その仕事と生き方からイギリスの植民地権力はこれらの民族を脅威とみなして、こうした仕事を禁止した。
これによって彼らは一気に生活が立ちゆかなくなり、女性たちが売春で家族を養うのが習わしとなり、「売春カースト」に堕してしまったという歴史がある。ドイツのメディアが取材した映像は貴重だ。